実践コミュニティの「社長」は誰か?【Stylish Ideaメールマガジン vol.184】

先日大阪で開催した実践コミュニティ・コーディネーター養成講座について、今回新たにいただいた感想から、実践コミュニティを考える際に忘れてはいけない点を考えていきたいと思います。

後半の「コミュニティ・キャンバス」の作成では、「提供価値」をしっかりと定めることが必要であり他の事業やサービスの設計と同じように事前のデザインが重要であることを学びました。

Communication Lab. Beyond words 越様

「コミュニティ」という言葉から、なんとなく「人の集まり」というイメージをし、いろんな人が集まる場を定期的に作っておけば良いと思ってしまう人もいるかもしれません。

しかし「実践コミュニティ」というのは、あくまでもビジネスに活かすことを念頭に置き、勉強で終わることなく、実務に適用する、つまり「実践する」ことを目指している人たちの集まり(コミュニティ)なのです。

このような基本的な定義に戻ってみると、実践コミュニティを立ち上げる際に、「提供価値」を考えなくてはいけない必要性がよくわかるのではないでしょうか。

言い換えれば、実践コミュニティの立ち上げは、新しいビジネスを立ち上げるのと同じだと言っても言い過ぎではないかもしれません。

そう考えると、今回のセミナーのテーマにしている「コミュニティ・コーディネーター」という存在はいわば「実践コミュニティの社長」と言える人。

私自身の経験や、今回のセミナーで初公開する「コミュニティ・キャンバス」の要素を見ても、実践コミュニティの立ち上げには、ビジネスの基本がすべて詰まっていると感じます。

コラム執筆者:新井 宏征(あらい ひろゆき)

株式会社スタイリッシュ・アイデア 代表取締役

東京外国語大学大学院修後、SAPジャパン、情報通信総合研究所(NTTグループ)を経て、現在はシナリオプランニングやプロダクトマネジメントの考え方を応用し、事業と組織の両面からクライアントの変革を支援するコンサルティング活動に従事。

Saïd Business School Oxford Scenarios Programmeにおいて、世界におけるシナリオプランニング指導の第一人者であるRafael Ramirezや、Shell Internationalでシナリオプランニングを推進してきたKees van der HeijdenやCho-Oon Khongらにシナリオプランニングの指導を受ける。

その内容を理論的な基礎としながら、2013年の創業以来、日本の組織文化や慣習にあわせた実践的なシナリオプランニング活用支援を行っている。

資格として、PMP(Project Management Professional)、英検1級、TOEIC 990点、SAP関連資格などを保有している。

主な著書に『実践 シナリオ・プランニング』、訳書に『プロダクトマネジャーの教科書』、『成功するイノベーションは何が違うのか?』、『90日変革モデル』、『世界のエグゼクティブが学ぶ 誰もがリーダーになれる特別授業』(すべて翔泳社)などがある。