自分からはみ出すための対話の場

スタイリッシュ・アイデアの新井です。

昨日は来週の対談イベント Futuring Dialogue 002 に向けて、ゲストの原口さんと内容についての打合せ。

イベントに向けた打合せというと、予め事細かに流れを確認したりするようなものもあるけど、昨日の打合せはそういうものとはまったく別。

大きな流れを共有してもらったあとで、ロジックモデルとシナリオプランニングという2つの手法の紹介をとおして、何を伝えたいのか、何が大事なのかみたいなところをお互いに再確認するような打合せ。

話し終わって、なんだか、もうイベントの大事な部分を話した気になってしまったほど。

不確実なことに向き合っている

イベントの目的や種類によっては、細かく進行を決めて、話す内容もきっちりと決めることが相応しいものももちろんあるけど、個人の好みとしては「始まってみないとわからない」という感じのイベントなりワークショップの方が好みだ。

そう思う理由には、もちろん、個人的な好みもあるけど、なんといっても「人に対して不確実と説き続けるのなら、自分もその中にいよう」と思うから。

いわゆる「コンサルタント」という肩書きで呼ばれる仕事をやり、ある程度の年齢も重ねてくると、良くも悪くも自分なりのパターンができあがってくる。それに乗っかることで労少なくして品質の高いサービスを提供できるという利点もあるのだろうけど、一方で「言っていることとやっていることが違う」コンサルタントになりかねない。

他の人に「不確実な可能性を考えましょう」とか「不確実な可能性に備えて、変わっていくのが大事」とお伝えしているのに、自分が、何かひとつのやり方にとどまってしまっていては、そういう言葉が空虚に響くようになってしまうだろう。

だから少しずつでも良いから、自分の安全地帯みたいなところからはみ出てみたり、その中に今までにはないものをお招きするということを意図的にやっている。

先月から始めた Futuring Dialogue もその一環。ゲストの方、そしてモデレーターさんにグラフィックレコーダーさんも交えることで、自分ひとりで話すことからは大きく「はみ出す」話ができればいいなと思ってやっている。

とても楽しいだけではなく、勉強にもなる機会になると思うので、ぜひお越しください。

【受付終了】Futuring Dialogue 002 〜より善い未来を創る"仮説"の考え方〜

第2回 Futuring Dialogue 〜未来を創るダイアローグ〜 では、ロジックモデルの専門家、株式会社YOUI代表取締役の原口唯さんをお招きします。シナリオプランニングとロジッ…

コラム執筆者:新井 宏征(あらい ひろゆき)

株式会社スタイリッシュ・アイデア 代表取締役

東京外国語大学大学院修後、SAPジャパン、情報通信総合研究所(NTTグループ)を経て、現在はシナリオプランニングやプロダクトマネジメントの考え方を応用し、事業と組織の両面からクライアントの変革を支援するコンサルティング活動に従事。

Saïd Business School Oxford Scenarios Programmeにおいて、世界におけるシナリオプランニング指導の第一人者であるRafael Ramirezや、Shell Internationalでシナリオプランニングを推進してきたKees van der HeijdenやCho-Oon Khongらにシナリオプランニングの指導を受ける。

その内容を理論的な基礎としながら、2013年の創業以来、日本の組織文化や慣習にあわせた実践的なシナリオプランニング活用支援を行っている。

資格として、PMP(Project Management Professional)、英検1級、TOEIC 990点、SAP関連資格などを保有している。

主な著書に『実践 シナリオ・プランニング』、訳書に『プロダクトマネジャーの教科書』、『成功するイノベーションは何が違うのか?』、『90日変革モデル』、『世界のエグゼクティブが学ぶ 誰もがリーダーになれる特別授業』(すべて翔泳社)などがある。