「シナリオを描く」から「未来を動かす」へ―12周年の終わりに
年度の終わりが近づいてきて

2025年も終わりが見えてきましたね。来月はもう12月ということで、新しい年に向けて準備をし始めている方も多いのではないでしょうか。
私はというと、自分の会社が12月が決算月になるので個人としてだけではなく、法人としても2025年を振り返り、来年2026年について考え始めているところです。
そろそろ年度も終わる頃ですが、今年で弊社は12周年(13年目)でした。12というと中途半端な数字と思ってしまいそうですが、月も時刻も12までですし、1ダースも干支も12ということで、実は私たちの周りのいろいろなところで使われている数字だということに気がつきます。
ひと回りした実感と、これからの方向性
自社の歩みを振り返ってみても、自分としては10周年の頃よりも、今年12周年の方が「あー、ひと回りしたな」という感覚があります。
その上で来年以降のことを考えているのですが、その方向性をキャッチコピーのような感じで表すと「シナリオを描く」から「未来を動かす」という感じになるかなと考えています。
今後じっくり考えていくことで、言葉遣いは変わっていくかもしれませんが、大きな考え方は、この言葉が表しているとおりです。
手法の習得から変革の後押し

12周年となる今年の案件を振り返ってみると、シナリオを描くことをゴールとしたり、それ自体を学ぶようなことに主眼を置いた取り組みは圧倒的に少なくなり、その先にある個人や組織の変化に重点を置いているものばかりでした。
これまでシナリオプランニング、そしてそこから派生して開発した未来創造ダイアローグの手法を伝えることに時間をかけることが多かったのですが、時代も変わり、そのようなツールに対しての理解も広がってきたことで、その先についてのご要望が増えてきたのだと思います。
来年以降、シナリオプランニングを使った広い意味での「変革」のための計画とその実行支援に貢献するためのプログラム提供に、今まで以上に力を入れていきます。
組織と個人、両輪でのご支援へ

さらに、これまでの取り組みで気がついたのは、これまで弊社が提供してきたサービスの形態はB2B、つまり「組織」むけではあったのですが、そこで本格的な変革を起こしていくためには「個人」向けの関わりも欠かせないということ。
そして、その過程で「組織としていきなり取り組むには難しいので、まずは個人として…」というニーズがあることも見えてきましたので、個人として不確実な未来を考えることに役立てていただけるサービスやセミナーにもご紹介していきます。
個人と組織の橋渡しを考えていただくヒントとして、先日アップしました味の素ファインテクノ様の事例紹介が参考になるのではないかと思います。
今後、いろいろなアナウンスをしていきますので、メールマガジンなどを購読してお待ちください。
コラム執筆者:新井 宏征(あらい ひろゆき)

株式会社スタイリッシュ・アイデア 代表取締役
東京外国語大学大学院修後、SAPジャパン、情報通信総合研究所(NTTグループ)を経て、現在はシナリオプランニングやプロダクトマネジメントの考え方を応用し、事業と組織の両面からクライアントの変革を支援するコンサルティング活動に従事。
Saïd Business School Oxford Scenarios Programmeにおいて、世界におけるシナリオプランニング指導の第一人者であるRafael Ramirezや、Shell Internationalでシナリオプランニングを推進してきたKees van der HeijdenやCho-Oon Khongらにシナリオプランニングの指導を受ける。
その内容を理論的な基礎としながら、2013年の創業以来、日本の組織文化や慣習にあわせた実践的なシナリオプランニング活用支援を行っている。
資格として、PMP(Project Management Professional)、英検1級、TOEIC 990点、SAP関連資格などを保有している。
主な著書に『実践 シナリオ・プランニング』、訳書に『プロダクトマネジャーの教科書』、『成功するイノベーションは何が違うのか?』、『90日変革モデル』、『世界のエグゼクティブが学ぶ 誰もがリーダーになれる特別授業』(すべて翔泳社)などがある。