モチベーションに頼らない目標達成【Stylish Ideaメールマガジン vol.197】
冒頭の案内でもご紹介したこちらの講座。
・目標達成のための長期計画作成と自分マネジメント講座 (1/14)〔東京開催〕
講座案内でも書いているように、私自身、目標設定やタスク管理についての本やツールはいろいろと調べては試しを繰り返してきました。
そういうものをまとめたブログなども読み、新しい手法やツールについての知識はどんどんと蓄積されていきました。
しかし、それだけ時間をかけたにもかかわらず、そのかけた時間分の結果が得られたのか?というと、恥ずかしながら、結果は散々なもの。
時間をかけた結果、単なる「手法マニア」、「ツールマニア」になっただけでした。
そして気づいたのは、目標の立て方「だけ」やタスクの管理の仕方「だけ」を学んでも、立派な目標や完璧なタスクは立てられるものの、実行する際に必ず行き詰まるということでした。
なぜ行き詰まってしまうのか?
それは、目標やタスクを考える前に、「どんなことがあっても、これを実現したい」という、自分の根っこにあるそもそもの部分を明確にしていなかったからなのです。
本来、自分はこういう人だという理解。
長い目で考えた時にやりたいことの理解。
その過程で起きるであろう困難の理解。
そして、そういう困難があったとしても、「それでもこれを実現したい」ということの理解。
これらの理解があって初めて、取り組むべき目標、そして、それを実現するためのタスクが決まっていくのです。
そういうことを理解せず、目標を立て、タスクを決めたにもかかわらず、実際は実行できなかったとき、しばしば「モチベーションのなさ」が理由に挙がります。
しかし、上に挙げたようなことを理解した上で、やるべきことに取り組むことができていれば、たとえそれが面倒なタスクであったとしても、その実行に「モチベーション」は不要なのです。
そのような本質的なところに目を向けずに「モチベーションがないから、モチベーションを上げよう」と言っていても、実際は何も変わりません。
むしろ「モチベーションを上げられない」自分に嫌気がさして、悪い循環に入っていくだけです。
日々のタスクがうまくこなせないときに目を向けるべきものは、タスク管理の本ではなく、自分自身の中に元々あるものではないでしょうか。
うまくいかなくなった時は自分自身に戻る。
そのための材料を整えることができさえすれば、もはや「モチベーション」は必要ありません。
コラム執筆者:新井 宏征(あらい ひろゆき)

株式会社スタイリッシュ・アイデア 代表取締役
東京外国語大学大学院修後、SAPジャパン、情報通信総合研究所(NTTグループ)を経て、現在はシナリオプランニングやプロダクトマネジメントの考え方を応用し、事業と組織の両面からクライアントの変革を支援するコンサルティング活動に従事。
Saïd Business School Oxford Scenarios Programmeにおいて、世界におけるシナリオプランニング指導の第一人者であるRafael Ramirezや、Shell Internationalでシナリオプランニングを推進してきたKees van der HeijdenやCho-Oon Khongらにシナリオプランニングの指導を受ける。
その内容を理論的な基礎としながら、2013年の創業以来、日本の組織文化や慣習にあわせた実践的なシナリオプランニング活用支援を行っている。
資格として、PMP(Project Management Professional)、英検1級、TOEIC 990点、SAP関連資格などを保有している。
主な著書に『実践 シナリオ・プランニング』、訳書に『プロダクトマネジャーの教科書』、『成功するイノベーションは何が違うのか?』、『90日変革モデル』、『世界のエグゼクティブが学ぶ 誰もがリーダーになれる特別授業』(すべて翔泳社)などがある。