不確実な時代に必要な情報との付き合い方【Stylish Ideaメールマガジン vol.191】
次の用語を目にしたことがありますか?
- TPP
- SDGs
- GAFA
さて、いきなりですが、ここから問題です。
(1) それぞれの用語はどういう意味でしょうか?
すべてわかりましたか?
日々こまめに新聞やニュースなどを目にしている人にとっては簡単だったかもしれませんね。
では次の問題。
(2) それぞれの用語の出来事があなたの仕事に与える影響にはどういうものがありますか?
スラスラ答えられたでしょうか。
最後の問題です。
(3) それぞれの用語の出来事が与える影響に対し、どのような対応策を考えていますか?
これも答えられましたか?
では、そんなあなたにオマケの問題です。
(4) それぞれの用語の出来事が与える影響とそれらの対応策を組織内で共有していますか?
もし、これまでの問いにスラスラと答えられて、最後の問いにYESと答えられたあなたの組織は、「未来への備えができている組織」です。
ここまで紹介した問いのうち、多くの人は(1)は問題なく答えられたのではないかと思います。
今は新聞やテレビを見ていなくても、インターネットはもちろん、電車などの広告を見ているだけでも、このような用語を知ることができるほど、情報があふれています。
ただし、その用語の定義を理解しただけで満足してしまっている人も少なくありません。
しかし、それで良いのでしょうか?
最新の情報を知っておくことは重要ですが、それらを自分が置かれている環境に引きつけて考えることがより重要なことなのです。
つまり、上に挙げた問題のとおり、
(1) まずは世の中で起きていることを知り、
(2) その影響(自分にとっての機会・脅威)を知り、
(3) その対応策を考える
これが不確実な時代に必要な情報との付き合い方。
この「起きていること」の影響範囲を長期で見て、それを(4)で伝えたように組織内で共有すること。
それをやっているのがシナリオプランニングです。
コラム執筆者:新井 宏征(あらい ひろゆき)

株式会社スタイリッシュ・アイデア 代表取締役
東京外国語大学大学院修後、SAPジャパン、情報通信総合研究所(NTTグループ)を経て、現在はシナリオプランニングやプロダクトマネジメントの考え方を応用し、事業と組織の両面からクライアントの変革を支援するコンサルティング活動に従事。
Saïd Business School Oxford Scenarios Programmeにおいて、世界におけるシナリオプランニング指導の第一人者であるRafael Ramirezや、Shell Internationalでシナリオプランニングを推進してきたKees van der HeijdenやCho-Oon Khongらにシナリオプランニングの指導を受ける。
その内容を理論的な基礎としながら、2013年の創業以来、日本の組織文化や慣習にあわせた実践的なシナリオプランニング活用支援を行っている。
資格として、PMP(Project Management Professional)、英検1級、TOEIC 990点、SAP関連資格などを保有している。
主な著書に『実践 シナリオ・プランニング』、訳書に『プロダクトマネジャーの教科書』、『成功するイノベーションは何が違うのか?』、『90日変革モデル』、『世界のエグゼクティブが学ぶ 誰もがリーダーになれる特別授業』(すべて翔泳社)などがある。
