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価値から人へ【Stylish Ideaニューズレター vol.2】

※イノベーション組織を作るためのアイデアを届けるStylish Ideaメールマガジンに掲載したコラムのバックナンバーです。最新のコラムをお読みになりたい方は、こちらからご購読ください。

価値から人へ

◆ビジネスが行うことと「価値」
私たちの周りにはさまざまなビジネスがあります。そして私たち自身もさまざまな形でビジネスにかかわっています。

そんな中で、そもそもビジネスとは何をやっているんだろうということを考えてみると、大きく言えば、人々が日頃から抱いている不安や不満を解決することだと言うことができます。あるいは人々の生活の質を向上させることと言うこともできるかもしれません。

言い換えれば、ビジネスとはビジネスを提供する人が、それを受ける人々に対して、何らかの価値を提供しているものだと言えるのかもしれません。

ジョシュ・カウフマンによる『Personal MBA』という本は、タイトルにMBAとついていますが、「価値」について2章も割いたり、前回のニューズレターでも紹介した「システム」について取り上げたりと、ユニークで、新たな視点が得られる本です。

その中で「ビジネスの5つの構成要素」として次の5つが紹介されています。

1. 価値あるものを創って届ける。
2. それは人々が望んだり、必要としたりするものである。
3. 人々が支払ってもよいと思う価格である。
4. 顧客のニーズや期待を満たす方法で提案される。
5. それによって、所有者が事業を続ける価値を見出せるだけの事業収益がもたらされる。

◆「価値」とつながるもの
先ほど紹介した構成要素からわかるように、ビジネスの構成要素のスタートは「価値あるもの」を見出すことから始めなければなりません。

例えば、最近注目を集めている『ビジネスモデル・ジェネレーション』の中で紹介されている「ビジネスモデル・キャンバス」でも、キャンバスの中心に「価値創造(バリュープロポジション)」という枠があります。

詳しくは『ビジネスモデル・ジェネレーション』を読んでいただくのが良いのですが、この「価値創造」の枠は、「顧客との関係」と「チャネル」を通じて、顧客そのものである「顧客セグメント」とつながっています。

つまり、周りとは何の関係もつながりもない、独立した「価値」があれば良いのではなく、その「価値」は顧客とのつながりで評価されるものだということを意識しなければいけません。

◆人間の「価値」を理解する
顧客とのつながりで価値を考えるといっても、それが単純なものではないことは、ビジネスにかかわっている人なら痛いほど理解していることでしょう。そして、それはビジネスの世界だけではなく、家族関係、親子関係、男女関係、会社で、地域で、あるいはインターネット上でと、さまざまなところで、私たちは「価値」に振り回されているのかもしれません。

先ほど紹介した『Personal MBA』では、ハーバード・ビジネススクールの研究に基づいた人間の意思決定と行動に重大な影響を及ぼす「4つの中核となる欲動」として、次の4つを紹介しています。

1. 獲得の欲動
2. 結合の欲動
3. 学習の欲動
4. 防衛の欲動

さらに、『Personal MBA』の著者が5つめの欲動として「感覚の欲動」を追加しています。

またオハイオ州立大学の教授で心理学や精神医学を専門とするスティーブン・リースは、人間が持つ16の基本的欲求をまとめています。
例えば、他人を支配したいという「力」の欲求や、人に頼らず自力でやりたいという「独立」の欲求、人としての誇りを求める「誇り」という欲求、心穏やかでいたいという「安心」という欲求などが紹介されています。

◆すべては人に興味を持つことから
今回は「価値」をまくらに、人間の深層にあるものを探るような研究成果などを紹介してみました。

ビジネスをしている上で、自分が開発したものや売りたいものに正当な理由をつけて上司にプレゼンをしたい時などに、こういう知識はとても役に立つでしょう。

でも、それはビジネスの流れの中では最後ではないにせよ、少なくとも始めに知識ありきというわけではない気がします。

検索をすれば商品を選ぶことができ、パソコンの前で世界中の人と「コミュニケーション」ができてしまう今、もしかすると私たちがもっとも気を払わなければならないのは、一番スタート地点である人に興味を持つことなのではないかと思います。

最後に、スタートアップのバイブル的な著書『スタートアップ・マニュアル』の著者のひとりであるスティーブ・ブランクのお言葉を。

「オフィスから飛び出せ!」

【「価値から人へ」を理解するためのブックガイド】
「価値」というものに向き合った貴重な本としては、本文でも紹介したこちらがお薦めです。

・『Personal MBA』

それを応用する方法としては、スタートアップ系の本が役に立つでしょうか。

・『ビジネスモデル・ジェネレーション』

・『スタートアップ・マニュアル』

本文中で紹介した16の基本的欲求をまとめた本は、残念ながら絶版でAmazonでも高値がついてしまっていますが、それでも買う価値があるお薦めの一冊です。

・『本当に欲しいものを知りなさい』

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編集後記

とうとう梅雨に入りましたね。

梅雨って毎年こんな時期からだっけ?と思いながら、すっかり季節感が鈍ってしまっている自分に気づきます…。

とはいえ、桜が異様に早く咲いたと思えば、その後、急に寒くなったりと、季節感が鈍ってしまうのは自分のせいだけではないはずと思いたいところ。

でも、前回のシステムの話しでいえば、めぐりめぐって、自分がこの気候に影響を及ぼしているんでしょうね。

考え過ぎず、前向きに、良い世の中を創っていく仕事をがんばります!

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