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シナリオでリスクに向き合う【Stylish Ideaニューズレター vol.5】

※イノベーション組織を作るためのアイデアを届けるStylish Ideaメールマガジンに掲載したコラムのバックナンバーです。最新のコラムをお読みになりたい方は、こちらからご購読ください。

シナリオでリスクに向き合う

◆リスクの種類
「リスク」とは何でしょうか?

日本では、どうしても「危険なもの」、「危ないもの」という印象が完全にぬぐい切れていない印象もありますが、それだけではないことを示す際に、よく「危機」という漢字を使う説明を目にします。

「危機」の中には「危険」もあるけど「機会」もあるということです。つまり、リスクとは忌むべきものという一面だけではなく、むしろ敢えて積極的にとりにいくものでもあるのです。

例えば「プロジェクトの「補助線」」では「スマート・リスクマネジメント」として、「正しいリスク(Right risk)」をとることの意味を解説しています。

・【戦略ノート278】スマート・リスクマネジメント

 

定常業務ではなく、プロジェクトにおけるリスクとしては、例えば次のような3種類のリスクがあるという解説もあります。

・既知のリスク
・予測可能なリスク
・予測不可能なリスク

例えば、地震などの自然災害は「予測不可能なリスク」に含まれるものですが、基本的に、このようなリスクは誰もが避けたいと思っているリスクになるでしょう。

そのような種類のリスクを除けば、リスクは誰にとっても、いつのタイミングでも同じように「避けたい」ものではありません。言い換えればリスクに対する態度は、相対的なものだということです。

◆リスクに対する許容度

そう言える背景には「リスク許容度」という考え方があります。ある人は特定のリスクを比較的受け容れやすい方だが、別の人は、全く受け付けないという場合があります。

例えば、何かのイベントに関連づけられているようなプロジェクトの場合、スケジュールは極めて重要な要素になります。いくら品質が高くても、そのイベントが終わってから完成するのでは、まったく意味がありません。

そのような場合、スケジュールに影響するリスクには許容度が低くなりますが、スケジュールを実現するためなら、予算は惜しまないというような形で、予算に影響するリスク許容度は高くなります。

このように、同じような種類のリスクでも、時と場合、そして人によって、その許容度は大きく変わってきます。

◆組織におけるリスク
バランス・スコアカードの共同開発者として知られているロバート・S・キャプランは、組織が直面するリスクを質的な違いから、次の3種類に分類しています。

・内部リスク:社内で発生する戦略的メリットを生まないリスク
・戦略的リスク:より大き戦略上の利益のためにとるリスク
・外部リスク:コントロールの及ばない外部のリスク

これらそれぞれのリスクの種類に応じて、リスク緩和の目的も統制モデルも、そして社内におけるリスク管理の機能も変わってくるというのです。

このうちコントロールが及ばない外部リスクについては、最初の2つのリスクとは異なる手法で対処するべきだと主張しています。

アイデアノートの001でも紹介したことと通じますが、このようなリスクに対処する際に、人間こそが厄介な存在であるということが少なくないのです。

・アイデアノート001「システムをつかむ」(システム思考001)
https://www.stylishidea.co.jp/2013/05/29/ideanote001_systemthinking/

例えば、自分の立場を裏付けるような情報は好むが、矛盾するような情報は好まないという「確証バイアス」や、グループ内での行動方針は、特に高圧的、あるいは自信過剰なマネジャーなどが率いている場合、集団として同調するような傾向になる「集団浅慮(グループ・シンク)」に陥ることが多いと言われています。

そのような状況において、外部リスクに対処するためには、リスクを想定することが大切であり、そのためのツールのひとつとして、キャプランは「シナリオ・プランニング」を薦めています。

どうしても自社にとって都合の良いような楽観的なシナリオばかり描いてしまう傾向がある場合、今回紹介したリスクという観点から改めてそれを利用する意義を見直し、悲観的なシナリオも積極的に向き合い、それに応じた戦略を考えていくことも考えてみるのが良いのではないでしょうか。

【「シナリオでリスクに向き合う」を理解するためのブックガイド】
プロジェクトマネジメントというとITに特化したような印象を持つ人がいるかもしれませんが、今後、どんな仕事にも欠かせない大切な知識です。

少しボリュームがありますが、読みやすいプロジェクトマネジメントの一冊というと、今回の記事でも参照したこちらでしょうか。

・『世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント』

後半に紹介したキャプラン教授の話題は、ハーバード・ビジネス・レビューの2013年2月号に掲載されている「リスク管理のフレームワーク」という記事を参照しました。

・『Harvard Business Review 2013年 02月号』

公開セミナー日程 | 株式会社スタイリッシュ・アイデア

編集後記

先日、静電気を利用して壁に貼るとホワイトボートとして使うことができる「どこでもシート」なるものを買いました。

・セーラー万年筆 どこでもシート 600×800

ペンによってはやや消えにくかったり、風には意外と弱かったりというところもありますが、壁がホワイトボードに変身するというのは、なかなか楽しく、もちろん仕事にも活用しています。

オススメですよ!

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