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うわすべりモニター【Stylish Ideaニューズレター vol.029】

※イノベーション組織を作るためのアイデアを届けるStylish Ideaメールマガジンに掲載したコラムのバックナンバーです。最新のコラムをお読みになりたい方は、こちらからご購読ください。

うわすべりモニター

◆「すみません、…」

「クラウドを活用したスケーラブルな社内システムを導入し、アジャイルな経営環境の実現」

「ホスピタリティあふれるサービスを通じた、カスタマーエンゲージメントの強化」

これらの言葉を読んで「なるほど」とか、特に違和感を感じないという人は要注意です。

こういう時には「すみません、日本語でお願いします」と応じるのが正しい反応です(笑)

冒頭の言葉は、わたしが勝手に作文したものですが、さまざまなメディアなどを見ていると、このような類の文にお目にかかることは決して珍しいことではありません。

むしろ一般的すぎて違和感を感じなくなりそうなほど。

シナリオプランニングのプロジェクトをやっている際、この手の言葉のことを「うわすべりな言葉」と呼び、注意して使うようお願いしています。

大辞林では「うわすべり」をこう定義しています。

 

うわすべり【上滑り】
(1)物の表面をすべること。
(2)物事の表面だけを見て、深く考えない・こと(さま)。「うわすべりな知識」「知識だけがうわすべりする」
(3)軽薄であること。上っ調子であること。また、そのさま。「うわすべりな男」

「うわすべりな男」とはなんとも痛烈な言葉で、なんとしても言われたくない言葉ではありますが(笑)、シナリオプランニングの現場で使っているのは、もちろん(2)の意味です。

言い換えれば「なんとなくわかったような、わかってないような状態で使っている言葉」という意味でお伝えしています。

◆「悪魔の代弁者」
冒頭に載せたようなセリフはいかにも違和感がある言葉なので、さすがに注意するかもしれませんが、例えば、会社の中で

「経営者視点を持ったマネジメント人材の育成」

というような言葉くらいであれば、自然と行き交っているかもしれません。

これはシナリオプランニングに限らない話しではありますが、こういう言葉を何気なく使い、しかも、それをシナリオを作成するための軸として使ったり、ストーリーのタイトルとして使っている場合は注意が必要です。

シナリオプランニングの目的のひとつは、自分たちの未来を言葉を使って表現することで、「漠然と感じていた不安」を「健全な危機感」に変えること。

そのため「経営者視点を持ったマネジメント人材の育成」というような言葉が出てきたら、その場に居合わせた __c21__さんが次のような質問をしなくてはいけません。

▼「経営者視点」とは具体的に何を指しているのか?
▼「マネジメント」は役職のことなのか?そうでなければ何を指しているのか?

しかし、実際に打合せやワークショップでこういう言葉が自然と行き交っている途中で、上に書いたような質問をすることは、せっかくの議論の流れに水を差すようで気が引けるかもしれません。

そういう時は、予め「悪魔の代弁者」のような役割を決めておくというのもひとつの手です。

「悪魔の代弁者(devil’s advocate)」とは、ディベートなどで、多数派の意見や決まりそうになっている議論に対して、あえて反論する役割のことを指します。

シナリオプランニングのワークショップをやる際に「うわすべりモニター」でもなんでも良いのですが、おかしな役割名を付けて、曖昧な言葉の定義にあえてツッコミを入れる人を持ち回りで決めるというのも良いかもしれませんね。

◆変わるためには面倒なことを
こういうことを提案すると「そこまで面倒なことをしなければいけませんか?」と言われることがあります。それに対しては、

「はい、しなければいけません」

と答えます。

これまでの延長ではない、新しい変化を起こすためには、一見、面倒で、誰もやりたがらないようなことを愚直にやり続けるということが必要です。

わたしたちは外国語を学ぶときはきちんと辞書をひいて語義を確認しますが、母語になると、ついついそういう作業を怠ってしまう。それが集団になると、余計にその傾向が強くなる。

そんな面倒なことを、ぜひともやり続けてください。
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編集後記「仕事も英語トレーニングも同じ」

前回のメールマガジンでは、英語学校でプレゼンテーションがあるということをお伝えしました。通っているのはここ。

・TOEIC,TOEFL,英会話&中国語コーチングスクール プレゼンス

どうなることやらと思いましたが、なんとか無事終了。周りの方からのコメントも概ね良く、ひとまずホッとしています。

あと数回、この学校でのレッスンが続きますが、今、この学校に通って取り組んでいることを改めて考えてみると、まったく知らなかった単語や表現を覚えているわけではありません。

どちらかというと、知識として持っている単語や構文を自由に使えるようにするために、これまできちんとやってこなかった
地道なトレーニングをひたすらやること。

これって、今日のコラムで書いた「変わるためには面倒なことを」というのと、まさに一緒です。

紺屋の白袴ではないですが、人に言っているようなことを自分では実践できていないでは話しにならないので、改めて自分がそういう際に必要な苦労や葛藤、忍耐なんかを実感するため、とても良い機会になっています。

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