事業に直結するシナリオをつくるための3つの"視"【Stylish Ideaメールマガジン vol.282】
シナリオプランニングは、通常7つのステップで取り組みますが、やはり一番の難所は5つめのステップの「複数シナリオ作成」の部分。
ここで言う「複数シナリオ」とは、2軸を使って4つの世界を表現するもののことです。
例えば『実践 シナリオ・プランニング』の第3章でも紹介している世界経済フォーラムによる「2030年の世界における食糧システム」シナリオも、次のように2軸を使って4つの世界を表しています。
この「複数シナリオ」を考えるためには、軸を作成し、
そこまではなんとなくたどり着けたとしても、
幅広いシナリオから事業検討へのつなげ方
シナリオプランニングでは、
そうなると、
しかし、そういう誘惑にめげず、
そうは言っても、
「幅広い世界を見ているだけじゃ、
という声もあるでしょう。
このような場合、つまり「シナリオでは視野を狭めず、
このステップでは、
共通の切り口を設定するための3つの視点
では、ここで言う「共通の切り口」とは、
そこで参考にしたいのが、"視"
- 視点:どんな観点を見ているのか?
- 視野:どんな範囲で見ているのか?
- 視座:どんな立場で見ているのか?
というような感じです。
例えば、シナリオで描かれた4つの世界の中身における「消費者」
そういう時は、漠然と「消費者の様子」と考えるのではなく、視点
あるいは知らず知らずのうちに「
またシナリオで描かれた世界の状況を解釈する際、
このように視点・視野・
過去にシナリオプランニングに取り組んだことがあるという方にお
そういう方に詳しく状況をうかがうと、
「
コラム執筆者:新井 宏征(あらい ひろゆき)

株式会社スタイリッシュ・アイデア 代表取締役
東京外国語大学大学院修後、SAPジャパン、情報通信総合研究所(NTTグループ)を経て、現在はシナリオプランニングやプロダクトマネジメントの考え方を応用し、事業と組織の両面からクライアントの変革を支援するコンサルティング活動に従事。
Saïd Business School Oxford Scenarios Programmeにおいて、世界におけるシナリオプランニング指導の第一人者であるRafael Ramirezや、Shell Internationalでシナリオプランニングを推進してきたKees van der HeijdenやCho-Oon Khongらにシナリオプランニングの指導を受ける。
その内容を理論的な基礎としながら、2013年の創業以来、日本の組織文化や慣習にあわせた実践的なシナリオプランニング活用支援を行っている。
資格として、PMP(Project Management Professional)、英検1級、TOEIC 990点、SAP関連資格などを保有している。
主な著書に『実践 シナリオ・プランニング』、訳書に『プロダクトマネジャーの教科書』、『成功するイノベーションは何が違うのか?』、『90日変革モデル』、『世界のエグゼクティブが学ぶ 誰もがリーダーになれる特別授業』(すべて翔泳社)などがある。

