良いシナリオを描くことと「繰り返し続ける」こと【Stylish Ideaメールマガジン vol.209】

メールマガジンバックナンバーシリーズ

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この時期に書店に行くと、「仕事の基本」を学ぶことができる本が、たくさん並んでいます。

PDCAやOODA、仮説思考、デザイン思考など、新旧問わずさまざまなテーマの本があります。

その中でも、今、この上で挙げた手法や考え方に共通しているのは「繰り返すこと」を重視しているという点です。

それぞれの使われ方や使われる場面にはいろいろな差はあれど、どの手法や考え方でも、つまるところ、

「試して」→「検証して」→「また試す」

というステップに抽象化することができ、このステップを繰り返していくことが肝になります。

それなりの仕事の経験がある人であればここまでは理解しているはずです。

しかし、これらの手法を使いこなしている人がどれだけいるかと考えてみると、実際にはそう多くはありません。

なぜなら、これらの手法や考え方で大切なのは、本当は「繰り返すこと」ではなく「繰り返し続けること」なのです。

そして、「繰り返し続ける」ところまで実践している人は、あまり多くないのが実情です。

なぜ、そうなってしまうのでしょうか?

それは、繰り返していくうちにイヤになる人が多いからなのです。

例えば「仮説検証を繰り返す」と言うと、なんだかカッコイイ感じもするかもしれませんが、実際にそのステップを進めることになると、必ず「仮説にダメ出しされる」という機会に遭遇することになります。

ダメ出しのされ方が、上司からのダメ出しなのか、顧客に対して検証した結果なのかという違いはあるかもしれませんが、いずれにせよ、せっかく考えたものをダメ出しされることは、誰にとっても気分の良いものではありません。

そして、そこで「仮説検証を繰り返す」ことをあきらめてしまうのです。

では、あきらめた人がどうするかというと、

  • 検証結果を踏まえていない、まったく違う仮説を出してきてしまう
  • そもそも仮説検証をあきらめてしまう

のどちらかになることが多いのです。

このうち、特に厄介なのが前者のパターンです。

新しい仮説を出しているので一見良さそうですが、その前にダメ出しされた仮説は、完全に捨てて、また新しい仮説に飛びついてしまっています。

しかし、最初の仮説を出す精度というのは、仮説検証を繰り返すことをとおして高まるもの。

そのため、事前の仮説検証を踏まえずに、新しい仮説を出しても、また同じようにその仮説がダメ出しされる可能性は高いのです。

こうなってしまうと、悪循環に入ってしまい、いつしか上に挙げた後者の「そもそも仮説検証をあきらめてしまう」になってしまうのです。

この「繰り返し続ける」ことは、シナリオプランニングを実践する際にも、非常に重要になってくる姿勢であり、態度です。

不確実なことを扱うシナリオプランニングでは、

「未来を描いて」→「自社に当てはめて検証して」→「また未来を描き直して」

というステップを繰り返します。

この時、そもそも上に挙げた手法や考え方で「繰り返し続けること」に慣れていない人は、「このくらいでいいや」というところで考えるべき未来を「完成」させてしまいます。

しかし、シナリオプランニングでつくったシナリオはインプットだといういつものルールに当てはめて、この状態を考えてみてください。

「このくらいでいいや」の未来から考える自社の対応策に、自社の将来を賭けることができるでしょうか?

つまり、良いシナリオを描きたいと思った時、シナリオをいくつも描くことだけが練習方法ではありません。

日頃から「繰り返し続ける」ことを意識していれば、そこで得たことが、シナリオを描くという未来に必ずつながっていくはずです。

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実践に使えるためのわかりやすさを意識して書いていますが、同時に本格的であることも意識しています。一般的なプロセスをなぞるだけではなく、さまざまな企業や自治体、学校等でシナリオプランニングを実践してきた経験を随所に盛り込んでいます。

このガイドブックが、未来を描く旅のガイドになれば幸いです。