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3号連続「プロダクトマネジャー・ウェイ」第3回【Stylish Ideaニューズレター vol.017】

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3号連続「プロダクトマネジャー・ウェイ」第3回

「プロダクトマネジャー・ウェイ」
第3回 プロダクトマネジメントは「システム開発」をどう変えるか有限会社エムアンドティ 好川哲人(MBA)

◆プロダクトマネジャーの仕事
プロダクトマネジャー養成講座では、プロダクトマネジャーの仕事を

「プロダクトマネジャーは、限られたリソースを駆使し、社内外の専門家と連携しながら、製品やサービスを通して自社のビジョンを実現し、ライフサイクルを通じて顧客価値を創出する役割を担うミドルマネジャーである」

と定義した。これからのこの定義に従ってプロダクトマネジャーの育成に取り組んでいく予定であるが、そのひとつの分野としてシステム開発を想定している。そこで、今回はプロダクトマネジメントの導入によってシステム開発がどのように変わっていくかを少し考えてみたいと思う。

◆情報システムの変化
まず、最初に情報システムの役割を整理しておきたい。情報システムは基本的には社内業務の支援が役割だった。データの処理しかり、事務や設計業務しかり、調達業務しかり、市場予測しかりである。このように役割においては、事前にすべきことを決めておき、それをコンピュータで実現することが情報化だった。情報化により、省力化され、投資対効果は計画することが可能だった。

情報システムの使い方もだんだん変わってきて、企業が顧客に提供するサービスの支援、あるいはサービスそのものを構成するようになってきた。このような情報システムが社内業務と根本的に異なるのは、その価値が事前に確定しにくいことである。たとえば、アマゾンで買い物をすると、購入履歴や閲覧履歴に併せておすすめ商品を示してくれる。このシステムを作ることによってどれだけの収益が得られるかは予想しがたい。

このようになってくると、投資対効果ではなく、目標としての価値を設定し、価値を生み出すためにシステムを頻繁に修正をしたり、あるいは、徐々に機能を拡充していくという方法をとることになる。

つまり、これまではシステムの運用をはじめたら保守の領域に入り、基本的にはシステムの機能を変更しなかったが、運用が始まってもシステムを構築したり、変更したりすることを前提としている。

この活動はシステムが廃棄されるまで、つまり、ライフサイクルを通じて行われる。

◆変化への対応としてのプロダクトマネジメント
以上のようなライフサイクルを通じての管理を従来のようにプロジェクトとして行うことは現実的ではなく、新しい枠組みが必要である。そこで、注目されるのがプロダクトマネジメントである。

プロダクトマネジメントの方法論を適用して、目標価値設定から、廃棄までのインクリメンタルな情報システムの開発と運用、フィードバックのマネジメントを行う。

もう少し、具体的にいえば、システム化を考えているビジネス領域で、どのように世の中が変わるかをシナリオとしてプラニングし、それにビジネス目標の達成のための開発の計画を立てる。この部分は具体的にはプロダクトベースのプログラム計画になることが多く、ビジョン思考でできるだけオープンなリソース活用をすることになる。

そして、開発した機能(サブシステム)はどんどんと投入していき、価値を実現していく。これは、ユーザー(ビジネスの当事者)の役割になる。

◆プロジェクトマネジメントからプロダクトマネジメントへ
ここまでの議論では、プロダクトマネジメントをするのは誰かを明確にしてこなかったが、情報システムの場合2つのケースが現実的である。一つは事業会社の情報システム部門とか、経営企画部門など、情報システムの責任部門がプロダクトマネジメントをするケース。ビジネスケースは情報システムの責任部門が作り、その上で開発はITベンダーに任せることになる。

もう一つのバターンは、ITベンダーなどがアウトソーシングビジネスとして、ビジネスケースから開発、運用まですべてを行い、事業会社のユーザー部門にサービスとして情報システムの機能を提供する場合である。

いずれにしても、これまでの開発マネジメントやプロジェクトマネジメントではマネジメントできなかった活動をプロダクトマネジメントによってマネジメントしながら推進することが可能になる。そしてプロダクトマネジャーはどのような立場であれ、活動全体を仕切っていく役割になる。
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編集後記

新幹線にせっかく買った赤福忘れました…。

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