終わったあとにも効果があるシナリオプランニングの取り組み【Stylish Ideaメールマガジン vol.286】

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今の日本の組織の中では、日常的にシナリオプランニングを担当するような立場で仕事をしている人はあまり多くはないはずです。

例えば研修、あるいはプロジェクトといった形式でシナリオプランニングに取り組んだとしても、いつかは終わりがあります。そして、研修なりプロジェクトの期間が終わってしまえば、日々の仕事の中でシナリオプランニングを使うことはほとんどないかもしれません。

このような現実を踏まえると、時間や労力をかけてシナリオプランニングに取り組むことは意味があるのだろうかと思ってしまうこともあるかもしれません。

方法論としてのシナリオプランニングにだけ目を向けると、そういう結論になってしまうかもしれません。しかし、シナリオプランニングの取り組みをとおして得られるのは、方法論としてのシナリオプランニングの理解にとどまりません。

「ものの見方」をアップデートするためのシナリオプランニング

弊社がシナリオプランニングの取り組みを進める際には、将来における不確実な可能性を考えることをとおして、そこにかかわった人たちの外部環境、そして自社に対する「ものの見方」をアップデートしていくことにも目を向け、それを得られるような全体の設計、そして研修やプロジェクトの進め方も強く意識しています
 
私たちは、知らず知らずのうちに、過去の経験や組織の文化、あるいは業界の慣習などの「フィルター」をとおして、さまざまな情報の取捨選択をしたり、その影響の判断をしています。
 
もちろん、それ自体は悪いことではありません。個人として、あるいは組織や業界の一員としての枠組みの中で最適な思考をすることは、何かを考えたり、決めることを効率的に進めるためには必要なことです。
 
ただし、この時に気をつけなければいけないことは、そのような「フィルター」の存在を自覚しているかどうか。そして、その「フィルター」には引っかからない情報や影響にも目を向けることができているかどうかです。
 
自身、あるいは自組織が持っている「フィルター」の存在を自覚し、そこには引っかからない情報にも目を向けるために最適なのが、シナリオプランニングに取り組むことです。
 
例えば、シナリオプランニングに取り組むための7つのステップの2番目にある「外部環境要因リサーチ」に取り組むことで、普段の業務ではあまり目を向けていなかった環境要因を積極的に取り込むことができます。
 
そして3番目の「重要な環境要因の抽出」のステップに取り組むことで、それらの環境要因が長い目で見れば大きな影響を及ぼすものだということに気づくかもしれません。
 
また4番目・5番目のステップでのシナリオづくりのステップをとおして、普段は積極的に話さないようなメンバーと、普段の業務以外の観点で対話をすることをとおして、自分にはなかった考え方、とらえ方などを知ることができます。
 
このような経験をとおして取り組んだシナリオプランニングで得られるものは、「シナリオ」という単なるアウトプットだけではないことは、もうおわかりでしょう。
 
表面的にはアウトプットの作成に取り組んでいるだけですが、それをとおして自分個人、あるいは自社に対する「ものの見方」をアップデートしているのです。
 
 

終わったあとも視野に入れたシナリオプランニングの設計を

シナリオプランニングの取り組みをとおして、このように自分の「フィルター」、あるいは「ものの見方」にとどまらない情報や考え方、とらえ方などを身につけることができれば、それはシナリオプランニングの取り組み後にも活かすことができます。
 
例えば、日頃の何気ない情報収集の際、これまでは目を向けていなかった出来事が持つ不確実な影響に気がつくでしょう。あるいは中長期の戦略や計画を検討したり、新規事業の可能性を考える際、これまでの延長線ではない論点を取り込むことができるようになります。
 
このような取り組みができれば、たとえ研修やプロジェクトが終わった後に、方法論としてのシナリオプランニングを使わなかったとしても、その研修やプロジェクトで得た成果を普段の業務に活かすことができます。
 
研修という形式であれ、プロジェクトであれ、同じ時間をかけるのであれば、こういう点も考慮に入れた「終わったあとにも効果があるシナリオプランニングの取り組み」を目指した設計と実践をするのはいかがでしょうか?
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『実践 シナリオ・プランニング』

『実践 シナリオ・プランニング』表紙
「シナリオ・プランニング」とは、組織や個人が未来を見据え、不確実性をチャンス・機会に変えていくための思考法。

シナリオ・プランニングを活用し、自分たちの「シナリオ」を作成することで、過度に悲観的な予測に立って不安に飲み込まれることも、将来の可能性を過度に楽観視することもなく、「健全な危機感」をもって未来を捉え、将来に対する備えをしていくことができるようになります。

本書ではシナリオ・プランニングの理論的な理解はもちろんのこと、シナリオ・プランニングの「実践」をあらゆる組織で無理なく進めていくための方法論、さらには、シナリオ・プランニングの「実践」をもとに、人と組織の成長を促すヒントを解き明かします。