社会・顧客の不確実性に着目した事業開発その1:シナリオ・プランニング活用シリーズ3【Stylish Ideaメールマガジン vol.258】

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今回も「シナリオプランニング活用シリーズ」を続けていきます。

過去のシリーズはこちらからご覧いただけます。

・不確実な時代に耐えるパーパスを検討する:シナリオプランニング活用シリーズ 1

・シナリオプランニングにおける戦略オプション:シナリオプランニング活用シリーズ2


今回は事業開発でのシナリオプランニング活用を考えます。

事業開発にシナリオプランニングを活用する場合、「活用シリーズ2」で紹介した顧客を元にした戦略オプション検討の結果を使います。

顧客を元にした戦略オプション検討では、4つのシナリオそれぞれになった場合、

  • 既存の顧客のニーズがどう変わるのか?
  • 新たにどんな顧客ニーズに対応していくのか?

などを考えていきます。

ここまで「顧客のニーズ」と書いてきましたが、この中には、

  • マイナスの状況を解消したい
  • プラスの状況をより良くしたい

という大きく2種類が出てきます。

この中から自社として取り組むべきものを選び、事業案の元として、具体的に検討していきます。

この時に難しいのが、シナリオプランニングで長期の環境変化、例えば10年後の変化などを考えていた場合、そこから事業案にどのようにつなげていくのかという点です。

ここで活用するのがロジックモデルです。

ロジックモデルとは、公的部門や非営利組織の事業評価などのために使われ出したものです。

ロジックモデルで考える要素と関係性は次のようなものになります。

【インプット→活動→成果物→成果】

何か事業活動を行うためのリソースを「インプット」として特定し、それを活用して事業開発等の「活動」を進めていきます。

そのようにしてできた事業、製品などが「成果物」です。

何気なく考えていると、「成果物」ができれば事業としては完了と考えてしまいそうですが、その先の「成果」まで考えなくてはいけません。

この場合の「成果」とは、社会や顧客にとっての成果です。自社が取り組んだ「成果物」を使うと、社会や顧客にとってどんな価値があるのかを考えることが、この「成果」の検討につながります。

このように、自社の取り組みによって、どんなものを生み出し(成果物)、社会・顧客にどんな価値を届けるのか(成果)をロジックモデルを使って検討していきます。

さらに、ロジックモデルの「成果」は、時間軸で「短期 — 中期 — 長期」という3段階で分けて考えることがあります。

例えば、短期的にはある技術を使って顧客の生産性を上げる(負担を減らす)ことを成果としてとらえます。

その短期的な成果が積み上がって、負担が減った分を別の活動にまわすことで、これまでには実現できなかった新たな成果、つまり中期的、長期的な成果を達成できます。

このロジックモデルをシナリオプランニングとの接点として活用すると、この長期的な成果に、戦略オプション検討で考えた「顧客のニーズ」を当てはめて考えます。

そうして検討した長期的な成果を中期、短期とバックキャスティングで考えていき、考えやすいものになった短期的な成果を元に、自社としての取り組みを具体的に考えます。

このようにシナリオプランニングとロジックモデルを組み合わせて検討することで、

  • 長期的なニーズを具体的に検討できる(シナリオプランニングによる効果)
  • そのニーズからバックキャスティングで具体的な事業を検討できる(ロジックモデルによる効果)

という形で環境変化の不確実性と社会・顧客の不確実性の両方を解消するための事業開発検討を進めることができるのです。

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実践に使えるためのわかりやすさを意識して書いていますが、同時に本格的であることも意識しています。一般的なプロセスをなぞるだけではなく、さまざまな企業や自治体、学校等でシナリオプランニングを実践してきた経験を随所に盛り込んでいます。

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