シナリオプランニングを活用して学習する組織をつくる【Stylish Ideaメールマガジン vol.241】

メールマガジンバックナンバーシリーズ

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前回のメールマガジンでは、 reframing(枠組みの見直し)と reperception(認識の見直し)の2つの観点からシナリオプランニングの効果をご紹介しました。

シナリオプランニングを繰り返すことで見直される2つのもの

この観点は、自社の事業を見直したり、新規事業を検討していく際にも大切な視点ですが、組織学習を考える上でも重要な視点です。

過去、このメールマガジンでも組織学習の観点から シナリオプランニングの効果を紹介していますが、シナリオプランニングは自社を「学習する組織」に 変えていくために非常に有効なツールなのです。

ピーター・センゲの『学習する組織』の中では、 シナリオプランニングの事例が2度出てきます。

『学習する組織』

ひとつは第9章で紹介されているシェルの事例。 もうひとつは第14章のインテルの事例です。

また絶版となってしまっている『フィールドブック 学習する組織「5つの能力」』では、メンタルモデルに取り組むための革新的な手法として最も影響力が大きいものとして シナリオプランニングが紹介されているのです。

『フィールドブック 学習する組織「5つの能力」』

では、組織を「学習する組織」にしていくために、シナリオプランニングをどういうように 活用することができるのでしょうか。

先ほど紹介した『フィールドブック〜』の中では、シナリオプランニングは、特にメンタルモデルに 取り組むためのツールとして位置づけられています。

メンタルモデルに取り組むためには、「内省」と「探求」の2種類が必要となります。

『フィールドブック〜』には、その2種類について次のように解説されています。

  • 内省:考えるプロセスのスピードを緩めて、自分がメンタルモデルを形成した過程をはっきりと意識すること
  • 探求:自分たちの見解をオープンに分かち合い、互いの考え方の前提を知るような話し合いをすること

シナリオプランニングとの関連でわかりやすいのは後者の「探求」です。

不確実な未来の可能性を対話をとおして検討するシナリオプランニングのワークショップの場が、まさにこの「探求」の機会となります。

前者の「内省」は、「探求」と同じように シナリオをつくる過程で起きるものです。

シナリオプランニングで複数の未来の可能性を考える過程で、自分が想定していなかったような未来の可能性を目の当たりにします。

その際、想定していなかった未来に気づいたことを「こういう可能性は考えたことがなかったなぁ」とさらっと流してしまうのではなく、なぜ、その可能性を考えていなかったのかについて内省の機会を設けるのです。その機会が、その可能性を見落とす「レンズ」と なっていた、自分のメンタルモデルに目を向ける きっかけとなるのです。

『学習する組織』の方では、元シェルの シナリオプランナーだったアリー・デ・グースが、計画を完璧につくることよりも、計画立案の機会をマネジャーたちが自分のメンタルモデルに気づく機会とし、組織全体の 学習する機会とする方が重要だという趣旨のことを話していたことが紹介されています。

現代のような不確実な時代には、自社の新たな収益の可能性を考える事業開発と、自社のメンタルモデルに取り組む組織開発は同時並行で進めていかなければいけません。

そのための重要なツールとして、シナリオプランニングをぜひ活用してください。

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『実践 シナリオ・プランニング』

『実践 シナリオ・プランニング』表紙
「シナリオ・プランニング」とは、組織や個人が未来を見据え、不確実性をチャンス・機会に変えていくための思考法。

シナリオ・プランニングを活用し、自分たちの「シナリオ」を作成することで、過度に悲観的な予測に立って不安に飲み込まれることも、将来の可能性を過度に楽観視することもなく、「健全な危機感」をもって未来を捉え、将来に対する備えをしていくことができるようになります。

本書ではシナリオ・プランニングの理論的な理解はもちろんのこと、シナリオ・プランニングの「実践」をあらゆる組織で無理なく進めていくための方法論、さらには、シナリオ・プランニングの「実践」をもとに、人と組織の成長を促すヒントを解き明かします。