今こそシナリオプランニングの基本に立ち戻る【Stylish Ideaメールマガジン vol.230】
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シナリオプランニングの重要性、必要性はこのような時期にますます高まってきています。
ただし、せっかくのシナリオプランニングも誤った使い方では、効果が期待できないどころか、逆効果になってしまうこともありえます。
最近はお客さまから「このような時期にシナリオプランニングをどのように使えば良いのか?」というお問い合わせをいただくことも増えました。
前回のメールマガジンでもご紹介したリスクと不確実性を混同を混同しないという点もシナリオプランニングを正しく使うために忘れてはいけない視点です。
しかし、実際にお客さまの取り組みについての相談を受けているうちに、もっと基本的なところに立ち返る必要性を痛感しています。
それは、「シナリオプランニングはこういう未来になってほしいということを考えるための手法ではない。起きる可能性があることを、自分たちの都合と切り離して考える」ということ。
連日、新聞やオンラインメディアでは、新型コロナに関するニュースが流れています。このような記事を見続けていると、少しでもポジティブなことを考えたいと思うのは自然なことです。しかし、それをシナリオプランニングでやってしまってはいけません。
シナリオプランニングは設定したテーマにおいて、起こり得ることは何かを考えるための手法。そして、その起こり得る未来の中で、組織として、あるいは個人として、最悪を避け、少しでも良い状態を実現するために、今から何に取り組むのかまでを考える。
誰もが未来が良くなればと思っているはずですし、それ自体は悪いことではありません。
しかし、現実として、今後しばらくは、そのような楽観的な見方をすることはできません。
そういう時期だからこそ、組織・個人として、今後、何が起こり得るのかを冷静に見極め、備えを考えていくべきだと考えます。
このような時期だからこそ、こういうシナリオプランニングの基本に立ち戻って考えていくのが大切です。
『実践 シナリオ・プランニング』
シナリオ・プランニングを活用し、自分たちの「シナリオ」を作成することで、過度に悲観的な予測に立って不安に飲み込まれることも、将来の可能性を過度に楽観視することもなく、「健全な危機感」をもって未来を捉え、将来に対する備えをしていくことができるようになります。
本書ではシナリオ・プランニングの理論的な理解はもちろんのこと、シナリオ・プランニングの「実践」をあらゆる組織で無理なく進めていくための方法論、さらには、シナリオ・プランニングの「実践」をもとに、人と組織の成長を促すヒントを解き明かします。