“面白い”シナリオは必要なのか?【Stylish Ideaメールマガジン vol.222】
メールマガジンバックナンバーシリーズ
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プロジェクトなどでシナリオを作成するために、いろいろな軸の組み合わせを試しているとき、
「この組み合わせは “面白い” / “面白くない” なぁ」
という声が参加者から出てくることがあります。
こういう声が出てきたとき、参加者として、あるいはファシリテーターとしては、そこで出てきている「面白い」という言葉の意味を正確に理解するための確認をする必要があります。
そういう場面で出てくる「面白い」という言葉は、
- 斬新だ
という意味合いで使われることが多いです。
未来のことを考えるので、たしかに斬新さは大事な要素のように思えます。
しかし、だからといってSFやアニメで出てくるような世界観が描かれているシナリオが良いというわけではありません。
私がOxfordでシナリオプランニングを学んだ際に言われたことが、
「クライアントが “絶対に起きない” と考えていることに目を向けろ」
というものでした。
シナリオプランニングは、長期的な視点で自社を取り巻く環境要因の不確実な変化の可能性を考え、それに対する備えを検討する手法です。
そのように考えると、シナリオプランニングに取り組む際に考えるべき
「面白い」
は、奇抜であるとか、斬新であるというような世界観自体の面白さではありません。
そうではなく、これまでに考えもしなかった、しかし、言われてみれば考えなくてはいけない要素が含まれている世界観こそがシナリオプランニングで考えるべき面白さです。
そのように考えると、弊社の公開セミナーでもよく強調しているように、シナリオプランニングをやる前に現状分析を行うことの重要性も理解できるのではないでしょうか。
シナリオプランニング実践ガイドブック
実践に使えるためのわかりやすさを意識して書いていますが、同時に本格的であることも意識しています。一般的なプロセスをなぞるだけではなく、さまざまな企業や自治体、学校等でシナリオプランニングを実践してきた経験を随所に盛り込んでいます。
このガイドブックが、未来を描く旅のガイドになれば幸いです。