シナリオプランニングを使わないという判断【Stylish Ideaメールマガジン vol.173】
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「金づちを持つとすべて釘に見える」という表現があります。
これは欲求5段階説などで知られているアブラハム・マズローの言葉だと言われています。
英語だと
If all you have is a hammer,
everything looks like a nail.
と言うそうです。( 参照 )
弊社ではシナリオプランニングを中心にして企業のコンサルティングをやっています。
(時々、シナリオプランニングだけの会社だと思われているのですが、実はプロダクトマネジメント、プロジェクトマネジメントと組み合わせて事業と人・組織の両面から取り組んでいます)
メールマガジンでも、ここまで毎回シナリオ、シナリオ言っていると、何がなんでもシナリオプランニングをやる会社、と思われても仕方がないところはあります。
しかし、実際にはお話をいただいてヒアリングをした結果、シナリオプランニングはお薦めしないことも少なからずあります。
弊社のシナリオプランニングの公開セミナーの応用編では、シナリオを作成するときのテーマに加えて「アジェンダ」を考えることをお伝えしています。
「アジェンダ」という呼び方は、シナリオプランニングのグルとも呼べるキース・ヴァン・デル・ハイデンの著書の中で言われている言葉で、そのまま使っています。
詳しい解説は応用編での解説や本に譲るとして、ここでは「アジェンダ」とはクライアントが抱えている課題と理解してください。
シナリオプランニングの導入を検討する際、まずはヒアリングをとおしてクライアントのアジェンダを明確にします。
そうすると、実は短期で成果を出さなければいけない状態や組織のメンバーがお互いにオープンに話せない状態など、シナリオプランニング以前に取り組むべき課題が明らかになることがあります。
シナリオプランニングの専門家だからこそシナリオプランニングを使える状態ではない時は、迷わずそのことをお伝えし、今の課題にどのように取り組むべきかをお伝えしていく。
そういうスタンスでお客さまとかかわっています。
『実践 シナリオ・プランニング』
シナリオ・プランニングを活用し、自分たちの「シナリオ」を作成することで、過度に悲観的な予測に立って不安に飲み込まれることも、将来の可能性を過度に楽観視することもなく、「健全な危機感」をもって未来を捉え、将来に対する備えをしていくことができるようになります。
本書ではシナリオ・プランニングの理論的な理解はもちろんのこと、シナリオ・プランニングの「実践」をあらゆる組織で無理なく進めていくための方法論、さらには、シナリオ・プランニングの「実践」をもとに、人と組織の成長を促すヒントを解き明かします。