過去を振り返ることで未来を創る(未来創造日誌 230110)

この未来創造日誌は、日誌という名前をつけているとおり毎営業日書きたいと思っているものの、年明け早々、なかなかみっちりな日が続いている。

休憩中にTwitterをのぞいてみたら、こんな記事が話題になっていた。

去年はこんな投稿も話題になっていたけれど、いろんなところでエネルギー価格の高騰の影響はじわじわと出てきている。

エネルギーからは話がそれるものの、元の東京国立博物館の記事で思い出したのが、文化庁の「文化庁と大学・研究機関等との共同研究事業(令和3年度) | 文化庁」の中で年明けに公表されていた「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う諸外国の文化政策の構造変化に関する研究」の報告書と報告書概要。

このうち報告書概要(pdfファイル)の後半では「コロナ禍における諸外国の文化政策の動き」と題して、日本・英国・米国・ドイツ・フランス・韓国の6カ国のコロナ禍における対応が年表形式でまとめられている。

例えば2020年1月から4月までの年表はこんな感じ。

出所: https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/pdf/93709801_02.pdf

これを見ながらいろいろなことを考えていた。

最初に思ったのは、この年表のように日本におけるコロナ禍のはじまりを2020年1月とすると、3年目に入る今、他の分野でもこういう形で、この2年間の取り組みを冷静に振り返ることをするのは良いことだなということ。

特に初期の頃はいろいろな批判もあったけれど、その頃の状況はカネヴィンフレームワークでいえば混沌系(Chaotic)に相当するので、まずは損害を最小にして、秩序を取り戻すための動きをとらなければいけなかった。

しかし、今となっては当時よりもいろいろなことがわかってきている。さまざまな取り組みの結果が明らかになっているものもある。これまでの動きを振り返り、次の取り組みにつなげる学びを得る良いタイミングだ。このタイミングでこういう結果が公表されたのはとても良い。願わくは、この結果が、次の政策に良い形で反映されると良い。

次に思ったのは各国の比較で振り返りをしているというが良いなということ。「日本の文化施策は…。一方、ドイツでは…」とか「日本の教育は…。一方、北欧では…」という比較がいろいろな場面でなされているけど、こういう流れになると必ず出るのが「主語が大きい」という指摘。

単純化して比較することでわかりやすくなる一方で、単に「単に日本はダメだ」と言いたいがためだけの比較のようになってしまっているものもある。

そういう「主語が大きい」だけの比較にならないためには、こういう具体的な水準でやると、いろいろなことが見えてきそうだ。

最後に考えたのが、年表形式はいいなぁということ。それは、その昔、松岡正剛氏と編集工学研究所の『情報の歴史』の旧版の方に大きなインパクトを受けたからというのもある。

それも影響しているのかもしれないけど、シナリオプランニングを使ったプロジェクトに取り組むとき、考える未来の年数分だけ過去を振り返ることから始めることがよくある。例えば、今から7年後の2030年のシナリオをつくるというプロジェクトであれば、最初に7年前から現在までの流れを振り返る。

これをプロジェクトメンバー全員でやる。自組織のこと、個人のことなどを思い思いに付せんに書き、壁一面の7年の流れに貼り、対話していく。

実際にやってみると、とてもパワフルな時間になる。過去を見ることで、これから考えていく未来についての「長さ」が実感できるというのもあるし、その時間をかけるとどういうことができるのかという「ボリューム感」も実感できる。加えて、その当時には語られなかったこと、語ることができなかったことがポツポツと場に出てくる。

長い長いプロジェクトの最初に、未来を創るための「発酵」がはじまる場面だ。