「毒矢のたとえ」と事業を創ること【未来創造日誌 200916】

昨日はこのウェブでも紹介していたセミナーに登壇。

自分のパートはシナリオプランニングの概要、そしてコロナ禍におけるシナリオプランニングを使った新規事業の考え方という観点から講演。その後のパネルディスカッションでは、主催のアイディアポイントさんからの質問を受けて、特に現場でのシナリオプランニング実践の話をしました。

実践の話の中でも特に多かったのがシナリオプランニングなどを使って外部環境の変化を考えることと新規事業とのつながりの話。

世の中が不確実になってきている、そういう中で不確実な外部環境の変化を追わなくてはいけない、だからシナリオプランニングのような手法をやる、でも、どこまで厳密にやっても、不確実なものは不確実なままで、はっきりとはわからない。はっきりとわからないものがある中で、どうやって事業を創っていけば良いのか…。

そう考えているうちに、考えすぎて動けなくなってしまうというのはよくある話かもしれません。よく言われる石橋を叩いて渡らないとか、石橋を叩きすぎて壊してしまうという感じですね。

もちろん、そういう問題意識を持ってシナリオプランニングに取り組むのは良いことです。しかし、シナリオプランニングで明らかになるのは、あくまでも不確実な要因の可能性であって、いくら時間をかけても、あるいは緻密にやっても、不確実性が軽減され、確実になるというわけではありません。

そうやって考えすぎて動けなくなってしまうという話を聞くと、ブッダの教えとして知られる「毒矢のたとえ」を思い出します。

ご存じない方のために、参考までにWikipediaのリンクをはっておきますが、「毒矢のたとえ」で検索すれば、もっとわかりやすいエピソードとして、解釈も含めて解説されている記事がたくさん出てきます。

なぜ、「毒矢のたとえ」が事業を創ることについての悩みと関係があるのか。

事業を創ることについて、悩んで悩んで「毒矢を抜くこと=事業案を市場に問うこと」を後回しにしたとしても、毒矢のたとえのように死に至るなんてことはないでしょう。一見、実害はないように見えますが、悩んでいる間にビジネスをやる上で貴重な資源である「時間」が失われていきます。

つまり、悩んでいる間に、本来得られたかもしれない売上、あるいは試行錯誤からの気づきを得られないばかりか、その事業案と同じようなものを競合他社が実行してしまうかもしれません。

ではどうすれば良いのかというと、「事業を取り巻く状況に”確実”ということはあり得ない」ということを前提として、不確実なままで動き始めるのです。

その上で、事業に関する不確実性を減らしていく取り組みを進める。言い換えれば、検討している事業案が筋の良いものかどうかを、想定している顧客に確認するのです。そういう考え方を体系化しているのが、例えば『リーン・スタートアップ』なんかですね。

いろいろと書きましたが、「不確実なものを不確実なものとして受け入れる」ことからしか、いろんなものが始まっていかないんではないかと思っています。

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