自分の変化を見定めるための時間の枠組み【未来創造日誌 200915】

昨日紹介した『不確実性入門』の中では、不確実性の性質を踏まえた対処法として、次のような考え方が紹介されている。
不確実性の性質や影響を考えれば、短期的な結果に振り回されることなく、長期的な成功の可能性を高めていくことが唯一の解決策となる。
シナリオプランニングに取り組んだあと、シナリオを踏まえた対応策を考えたものの、いざ実行するとなると、短期で結果を出すという頭の使い方に戻ってしまうということが少なくない。
組織だけではなく、私たち個人も、何か新しい取り組みや変わるための取り組みを始めると、どうしてもすぐに結果が出ることを期待してしまう。短期で期待するような結果が出るものではないと頭ではわかっていても、目の前の結果に一喜一憂してしまうものだ。
そんな時に思い出してみると良いかもしれないイメージをTwitterで見つけた。
数日という単位で見ると変動が激しくて、大きくプラスに進んだと思ったら、ガクンとマイナスに落ち込んだりして、振り回されてしまう。そんな変化も、視線をぐっとひいて、数十年という単位で見れば、なだらかに成長していることがわかる。
この2つのイメージの下に書かれているように、どちらの時間の枠組みで見ると決めるのかは、個人や組織が取り組んでいることの評価や、ひいては個人としての自尊心にも大きな影響を及ぼすだろう。
もちろん、イメージの左側にあるような細かい時間の枠組みで見ることが悪いわけではないし、それが必要な場合もある。
大切なのは、それだけで見ないこと、そして、それ以外の時間の枠組みもあるということを頭に入れておくこと。枠組みを固定させてしまうのではなく、いろんな枠組みをとおして、個人や組織の取り組みを見ることができるようになれば、自分や自分たちをもっと多面的に評価することができるようになるだろう。
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『実践 シナリオ・プランニング』
シナリオ・プランニングを活用し、自分たちの「シナリオ」を作成することで、過度に悲観的な予測に立って不安に飲み込まれることも、将来の可能性を過度に楽観視することもなく、「健全な危機感」をもって未来を捉え、将来に対する備えをしていくことができるようになります。
本書ではシナリオ・プランニングの理論的な理解はもちろんのこと、シナリオ・プランニングの「実践」をあらゆる組織で無理なく進めていくための方法論、さらには、シナリオ・プランニングの「実践」をもとに、人と組織の成長を促すヒントを解き明かします。