時間資本主義と生活者の変化を考えるヒント【未来創造日誌 200910】

タイムチケットというサービスがある。

同サービスのよくある質問を見ると、このサービスは

タイムチケットは、あなたの時間をチケットにしてシェアできるサービスです。発行したチケットは、あなたが承認したゲスト(購入者)が購入することができます。

だと説明されている。

少し前から気になっていたある制度に関する疑問点があって、それを解消したいと思っていたところ、タイムチケットに相談できそうな専門家を発見。その人のチケットを買い、30分の相談を受けた。見事にすっきり解消。

タイムチケットで相談をする前には、ネットでざっくりと調べてみた。しかし、自分が抱えている疑問のど真ん中の状況はなかなか見つからず、似たような状況についての回答も、ピンとこないものや、そもそも回答者の専門性が定かではなかったので、自力で調べるのをあきらめた。

もちろん、その疑問に関する本を買ってきて知識をつけ、自力で疑問を解消するという手もあった。ただ、専門性が高すぎるのと、自分の本業や興味とはかけ離れているのという理由で、その選択肢はあきらめ、専門家に相談することにした。

今回の未来創造日誌で書きたいのは、その疑問点そのものではなく、タイムチケットを使った自分の体験。

松岡真宏氏の『時間資本主義の時代 あなたの時間価値はどこまで高められるか?』によると、私たちを取り巻く時間価値は「節約時間価値」と「創造時間価値」の2つに分類できるという。

このうち、「節約時間価値」というのは「その物やサービスを使うことによって時間が短縮でき、有意義な時間が生み出される」と定義されている

今回、自分がタイムチケットをとおして得た価値というのは、まさにこの「節約時間価値」になる。

こういう価値を享受できるようになったのは、同書で紹介されているようにITやスマホの登場が影響している他、タイムチケットなどの「時間の売買」のためのプラットフォームが増えているのも影響しているだろう。

この手のプラットフォームでサービスを提供する人が仕組みを利用することによって得られる価値は、時間資本主義で言われている「創造時間価値」にあたるのかもしれない。

シナリオプランニングをやっていると、それがメインではないにしても、副業がテーマになることが時々ある。

その時に、シナリオの軸の中に「副業に興味を持つ人が増える」というような内容を含めてしまう人がいる。あるいは、公開されているシナリオを見ても、この手の内容を盛り込んでしまっているものもある。

ただし、原則として、この手の内容をシナリオの軸の中に含めることはやってはいけない。

なぜそうなのかの理論面からの解説はいつかメールマガジンで扱うとして、ここまでの話の流れで言えるのは、私たち生活者の行動や価値観の変化というのは、勝手に起きるわけではなく、変化を引き起こす元となる要因を考慮しなければいけないということ。

私たちの時間の使い方に影響を与えるような環境変化に目を向けることで、『時間資本主義の時代』で書かれているような俯瞰的な視点から、生活者の行動や価値観の変化を考えることができるようになる。

そして何より、生活者の変化を考えたいのであれば、いち生活者である自分が、実際にいろいろな体験をしてみることも外せない。

副業のシナリオを考えるとして、副業についての書籍やレポートなどを読むのも良いけれど、実際に自分で副業を体験してみたり、副業としてサービス提供している人のお世話になってみるという体験が、シナリオにリアリティを持たせることにつながるはずだ。

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