環境の変化から自由になるためには【Stylish Ideaメールマガジン vol.189】

10.24


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環境の変化から自由になるためには

生物学者の福岡伸一氏が『新版 動的平衡』の中で、脳のバイアスについて、いろいろな観点から紹介している章があります。

その章の最後に「なぜ、学ぶことが必要なのか」という項目があり、最後にこうまとめています。

このことから、私たちは重要な箴言を引き出すことができる。
「直感に頼るな」ということである。
つまり私たちは、直感が導きやすい誤謬を見直すために、あるいは直感が把握しづらい現象へイマジネーションを届かせるためにこそ、勉強を続けるべきなのである。
それが私たちを自由にするのだ。

『新版 動的平衡 – 生命はなぜそこに宿るのか』64ページ

実際に、ここまでの内容を読んでいただくとわかるのですが、この「直感」という言葉は、錯覚など脳のバイアスを意識せずに考えたり、判断することを指しています。

組織の文脈に置き換えると「思い込み」と言い換えてもような意味合いで使っています。

ここで「思い込み」と気楽に使いましたが、私たち自身が、自分で気付いていないからこそ「思い込み」と言われるわけです。

もし、自分で気付いているなら、それは自分にとって「1つの視点」でしかありません。

その「1つの視点」が全てだと思ってしまっている状態が「思い込み」というわけです。

では、この「思い込み」から抜け出すためにはどうすれば良いのか?

それは上で書いてきたことの逆をたどること、つまり、自分が今、世の中や目の前の事象を見ているのが「1つの視点」でしかないということに気がつくことです。

ただし「今のこの視点は1つの視点でしかない」と思うだけでは、当然のことながら不十分です。

本当の意味で「1つの視点でしかない」と思うためには、その1つ”以外”の視点、つまり複数の視点を持つことで実現できるのです。

例えば、これまでの経験から、自社を取り巻く現在の環境は、今後Aという方向にしかいかないと思っているのは「1つの視点」です。

そこから視点を増やし、今後の方向性としてBやCやDの可能性も考える。それによって、自分たちの将来を見誤ること、福岡氏の言葉でいえば「誤謬」を避けることができるのです。

このように複数の視点を持ち、未来に対する「誤謬」を見直すために取り組む手法がシナリオプランニングなのです。

ただし、シナリオプランニングは、単に複数の未来を考える手法ではありません。

プロセスとしてはそのとおりなのですが、シナリオプランニングをとおして行うことは、私たちを取り巻き、未来に対して影響を与える環境変化を学習し続けることなのです。

もう一度、福岡氏の言葉を引用しましょう。

直感が導きやすい誤謬を見直すために、あるいは直感が把握しづらい現象へイマジネーションを届かせるためにこそ、勉強を続けるべきなのである。それが私たちを自由にするのだ。

思い込みによって世界を見誤ることを避け、思い込みでは把握しにくい世界を想像するため、シナリオプランニングをとおして学習をする

そうすることで、私たちを取り巻く環境の変化に翻弄されることもなく、無理に抗うこともなく、その変化に合わせて自分たちを変化させられる

このように、シナリオプランニングが私たちを想定外の環境変化による影響から自由にしてくれるのです。

◆参考セミナー◆
⇒ 変化を活かした対応策の検討方法を学んでいきます。
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読んでる本「デザインの次に来るもの」

事業開発のことを考えるヒントとして、しばらく前に出たこれを読みました。
・『デザインの次に来るもの これからの商品は「意味」を考える』

サブタイトルにも書かれているように、イノベーションを「意味」という観点から考えた内容です。

「デザイン」と「イノベーション」というとデザイン思考が浮かぶ人も多いと思いますが、本書では米国発のデザイン思考の限界に目を向け、欧州発のデザイン・ドリブン・イノベーションの意義を紹介しています。

詳しくはベルガンティの『デザイン・ドリブン・イノベーション』を読むのがお薦めですが、意味のイノベーションを知る最初の一冊としてお薦めです。

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