知的な失敗を心がける(シナリオプランニングの現場から)

03.20


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注目を集める「レジリエンス」

このところ「レジリエンス」についての本が増えてきました。

それまでも関連する本が出ていましたが、ちょうど2年ほど前に翻訳書として『レジリエンス 復活力』が出版されました。

この本がきっかけでレジリエンスに興味を持ち、関連する情報をべながら、マネージング・パートナーを務めているバランスト・グロースで、レジリエンスについてのコラムを書きました。

レジリエントなシステム、レジリエントなわたしたち 第1回
レジリエントなシステム、レジリエントなわたしたち 第2回
レジリエントなシステム、レジリエントなわたしたち 第3回

それからシナリオプランニングやプロダクトマネジメントに本格的に力を入れてしまっていましたが、最近になって、少しずつレジリエンス関連本が増えてきたこともあり、再び情報を集めるようにしています。

・『レジリエンスとは何か: 何があっても折れないこころ、暮らし、地域、社会をつくる
・『「レジリエンス」の鍛え方
・『レジリエンス ビルディング

レジリエンスとは?

上に挙げた本のうち『「レジリエンス」の鍛え方』を読んでみると、レジリエンスは次のように説明されています。

失敗を怖れて行動回避する癖を直し、失敗をして落ち込んだ気持ちから抜け出し、そこから目標に向かって前に進むことのできる力、それがレジリエンスです。

この本は主に個人向けに書かれていますが、そのまま企業向けに当てはめても違和感はありません。

その個人や企業がレジリエンスを鍛える過程では、次の3つの姿勢が重視されると紹介されています(参考図書原文まま)。

  • 現実を直視する
  • 物事をしなやかに柔軟に捉える
  • 合理的な思考を持つ

これは、まさにシナリオプランニングの姿勢とも重なりますね。

シナリオプランニングでは、自らを取り巻く環境を柔軟にとらえるために、まずは外部環境を押さえながら、起こり得る未来を複数描きます。

特に組織の場合は、ここで終わりにしてはいけません。そこから現在の状況に戻り、改めて自分たちの置かれている状況を直視し、その上でアクションプランを考えていく。つまり、未来に向けて、合理的に考えます。

知的な失敗を心がける

そういう共通点を踏まえながら、レジリエンスの解説を改めて見てみると、気になるのは「失敗」という言葉です。

誰だって失敗はしたくありません。

しかし、それが行き過ぎると失敗はしてはいけない、失敗は良くないものだというような形で、自分の中の強い感情が「自分にとっての事実」に置き換わってしまいます。そして、それが行動を思いとどめてしまうことがある。

そうならないためにも、失敗がすべて同じではないということを頭に入れておくことが大切です。

先ほどの『「レジリエンス」の鍛え方』の中で紹介されているエイミー・C・エドモンドソン氏による組織における失敗の分類が参考になります。

  1. 予防できる失敗
  2. 避けられない失敗
  3. 知的な失敗

想像がつくかとは思いますが、この中で重要なのが3つめの「知的な失敗」です。実験的な試みをした結果起きてしまった失敗は、この「知的な失敗」と見なします。

いわゆる「失敗から学ぶ」という際に、もっとも大きな学びがあるのが、この「知的な失敗」が起きた場面でしょう。

とはいえ、この「知的な失敗」をしたことで、組織に致命的な打撃があってしまっては意味がありません。

そこで、失敗の振れ幅をある程度見据えるためにも、シナリオプランニングを取り組む意義があるのです。

また、より事業レベルで「知的な失敗」をするためには、プロダクトマネジメントに関する話しとしてお伝えしている顧客開発などの考え方を応用することができます。

ちなみに、失敗の分類の部分でご紹介したエイミー・C・エドモンドソン氏の名前をどこかで聞いたことがあると思って調べてみたら、『チームが機能するとはどういうことか』という近々出版される翻訳書の著者でした。

photo credit: Crossroads: Success or Failure via photopin (license)

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