あなたの業界は特殊ですか?(シナリオプランニングの現場から)

05.19


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シナリオプランニングを実践する際、まず最初に困るのは外部環境要因を出す部分です。

シナリオ・プランニング – 未来を描き、創造する』では、

通常のワークショップでは、100項目程度のドライビング・フォースがすぐに挙がる(47ページ)

と紹介されていますが、実際にやるとそう簡単ではありません。

なぜなら、この作業は日頃からの自分(あるいは自分たち)のものの見方、言い換えれば自分のメンタル・モデルの影響を強く受けるからです。

ピーター・センゲは『学習する組織』の中で、メンタル・モデルについて、次のように紹介しています。

世の中とはこういうものだという心に染みついたイメージ

そのため、普段から自分の仕事の範囲や自分たちの業務の範囲を限られた範囲の見方で見ているような場合、なかなかこのイメージを広げることは簡単ではありません。

実際のシナリオプランニング・セッションでは、この場面こそわたしのようなファシリテーターの役割が活きてくるのですが、そうはいっても、できればそういう力を借りなくても、良いシナリオを作るのに十分な外部環境を日頃から意識しておきたいところです。

そこで活用したいのは、新聞や雑誌などのメディアの活用です。

「今さら新聞?雑誌?」

という声も聞こえてきそうですが、「新聞や雑誌はもはやオールドメディアだ」と言われているこのタイミングだからこそ、そういうメディアに目を向けるという姿勢が必要です。

例えば、わたしがオックスフォードでシナリオプランニングのプログラムを受けた際、講師の方が「飛行機に乗るときは、普段なら絶対に手を伸ばさないような雑誌を買って、それを機内で読むようにするのがシナリオプランナーだ」と言っていました。

例えばFujisan.co.jpを見てみると、世の中にはこんなテーマの雑誌もあるのかと驚きます。

雑誌のFujisan.co.jp|雑誌・定期購読専門オンライン書店

そこまで時間をかけなくても、新聞や雑誌を読む際に、記事だけではなく、広告も目を通すようにします。そうすると、一般紙(一般誌)に載っている広告でさえ「こんなものが世の中にはあるんだ!」と驚きます。

例えば、今日(2014年2月6日)の日経朝刊の一面下の広告には

    • dancyu
    • 日経おとなのOFF
    • 広報会議
    • FOREIGN AFFAIRS REPORT
    • 医事業務
    • 介護人材Q&A
    • 企業会計
    • 税務弘報

といった雑誌の広告が載っています。

このうち、わたしにとって普段もっともなじみがない世界は「医事業務」や「介護人材Q&A」という雑誌です。

広告の中身をよく見てみると、「医事事務」の2月1日号の特集は「病院事務職の人材育成」ということで、人材のスキルや育成についての内容が載っており、「他の業界との違いや共通点はあるんだろうか?」という質問が頭に浮かびます。

「介護人材Q&A」の方を見てみると、特集は「接遇応対とマナーの「チカラ」実践事例集」となっていて、今年の裏テーマとして掲げているホスピタリティとの関連に興味がいきます。

仮に実際に手を取ってみなくても、ここまで頭を使うだけで、例えば今回の場合で言えば、業界や業種を超えた共通点のようなものが見えてきます。

こういう小さな作業が、「自分たちの世界がすべて」という頭の使い方を少しずつ変えていくきっかけとなるのです。

コンサルティングの現場で苦労をする際の共通点として、「うちの業界(会社)は特殊だから」が口癖のクライアントの存在があります。

しかし、実際には業界や会社にとっての「特徴」はありますが、ご本人が思っているほど「特殊」ではないというのが真実。

皆さん自身も、ついついこういう「特殊志向」に陥っていないか確認するために、日頃からの幅広い情報収集を心がけてください。

photo credit: EladeManu via photopin cc

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