アイデアノート016「ドライビング・フォースはなぜ重要か?」(シナリオプランニング007)

12.10


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実際のシナリオプランニング プロジェクト

前回のニューズレターでは、シナリオプランニングのプロセスについて基本的なところをご紹介しました。
アイデアノート015「シナリオプランニングのプロセス」

このプロセス自体はとてもわかりやすく、シナリオプランニングの基本的なプロセスをよく理解できます。

一方で、読みやすいビジネス書が氾濫してしている影響もあって、わたしたちは、このようなわかりやすいプロセスを見ると安心してしまうという面もあります。

安直なわたしは「これでシナリオがつくれる!」と、ついつい思ってしまいかねません…。

しかし、想像がつくとおり、実際にはそう簡単ではありません。

なかなか苦労するドライビング・フォース出し

プロセスとしてはわかりやすいものですが、実際に進めると、個々のプロセスを実行することはそこまで単純ではありません。

その中のひとつが、『シナリオ・プランニング — 未来を描き、創造する』の中の3つめのステップとして紹介されているドライビング・フォースを特定するプロセスです。

このプロセスを紹介しているページでは、

通常のワークショップでは、100項目程度のドライビング・フォースがすぐに挙がる

と書かれていますが、出る時はたしかに出る。しかし、ここで苦労する場合もあります。

十分に出たと思って、続くステップ、先ほどの本で書かれているところの「未来を左右する「分かれ道」になるような要因を見つける」部分に進んだときに、なかなか良い要因が見つけられずに困るときがあります。

そういう場合は、十分なドライビング・フォース出しができていないことが多いので、もう一度、ドライビング・フォース出しのプロセスに戻り、作業を進めます。

シナリオ・プランニング — 未来を描き、創造する』では、ドライビング・フォース出しのプロセスを紹介する部分で、PESTやSTEBNPDILE(さすがにこれは無理があります…)などのフレームを紹介しています。

このドライビング・フォースについて、せっかくの機会なので、もう少し考えてみましょう。

なぜドライビング・フォースを洗い出すのか?

ドライビング・フォースというのは、企業や個人を取り巻く外部の環境要因の話しです。

外部の環境要因というと、マーケティングではマクロ環境の分析と呼ばれていて、マーケティングの基本書を読むと、必ずこの項目が取り上げられています。

少し脱線しますが、ここで言う「マーケティングの基本書」というのは、数時間でわかるというよう類のお手軽なものではなく、マーケティングについて押さえるべき内容が網羅されている本をイメージしています。

読むことはもちろん、辞書的にも使える本で、翻訳書であればコトラーのような存在です。

和書ではそのような本は昔はあまりありませんでしたが、ここ3〜4年で何冊か登場しました。

そのうちの一冊、日本経済新聞出版社から出ている法政大学の小川孔輔教授による『マネジメント・テキスト マーケティング入門』は800ページ弱の大著ながら、日本人にとってイメージしやすい国内のケースが豊富な、和書ならではの一冊です。

その中では、第4章をまるまる使って「マクロ環境の分析」という内容に充てています。

そこではマクロ環境を「個別企業が単独の力では、直接はコントロールできない環境要因のこと」と定義した上で、次のような解説をしています。

企業にとって、マクロ環境を分析することが重要なのは、単に企業がマクロ環境を制御できないからではない。長期的にはマクロ環境もある傾向で変化していくので、その趨勢や変化の方向を事前に知っておく必要があるからである

この「マクロ環境」のところを「ドライビング・フォース」と読み替えれば、ドライビング・フォースを洗い出す重要性がわかります。

ドライビング・フォースとは、企業や個人に影響を与えるものであるから重要だというのもあるのですが、同時に、ドライビング・フォース自体も変化していくもの。

その中で、自社や自分にとって、特に影響がありそうなものを押さえ、それらの変化と自分の変化の関係をうまく利用していくことが大切なのではないかと思います。

ドライビング・フォースを洗い出すことがなぜ重要なのかということについて、次回でもう少し別の面から考えてみることにしましょう。

【「ドライビング・フォースはなぜ重要か?」を理解するためのブックガイド】
シナリオ・プランニング — 未来を描き、創造する』 は引き続き、いろいろな形で参照しています。

・『シナリオ・プランニング — 未来を描き、創造する
4862761658

まずはここからということで、まだ読んでいない方は、ぜひ。

文中でマーケティングの基本書として紹介した小川教授の本はこちら。800ページ弱のボリューム満点の本ですが、とても読みやすく参考になります。

・『マネジメント・テキスト マーケティング入門
4532133696

その他、手元に置いていてよく参照する和書の基本書としては、
有斐閣から出ているこちらと、

・『マーケティング (New Liberal Arts Selection)
4641053731

最近第2版が出たゼミナールシリーズのこちら。

・『ゼミナール マーケティング入門 第2版
4532134390

ちなみに法政大学の小川孔輔は、12月1日付けの日経の「今を読み解く」というコーナーにて、「生活に根付いたコンビニ」というタイトルでコンビについての分析と関連本を紹介されていましたね。

その中でも面白そうなこの本をまずは買ってみました。

・『コンビニだけが、なぜ強い? (朝日新書)
402273437X

photo credit: A.Currell via photopin cc

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