アイデアノート007「クリティカルに未来を見る」(シナリオプランニング005)

07.26


※最新のアイデアノートの他、セミナー情報などの株式会社スタイリッシュ・アイデア最新情報を盛り込んだStylish Ideaニューズレター、購読者受付中!

リスク・マネジメントとクライシス・マネジメント

前々回のニューズレターで紹介したアイデアコラムでは、英語でリーダーシップをテーマとしたワールドカフェに参加してきた話題をご紹介しました。

アイデアコラム001「英語でワールドカフェ」

その時、途中で一緒のテーブルになった日本に住んで5年ほどになるニュージーランド人(大手銀行勤務)が、東日本大震災の時の国や企業の対応を例に挙げて、「日本人はリスク・マネジメントは得意だけど、クライシス・マネジメントはあまり得意だとは思えない」という主旨のコメントをしていました。

「リスク・マネジメントは得意」というくだりは議論の余地があると思う方もいるかとは思いますが、「クライシス・マネジメントは苦手」という箇所については、納得される方が多いのではないかと思います。

想定外に対処するために必要なこと

「クライシス・マネジメントが苦手」というのは、言い換えれば、想定外の出来事への対処が苦手だということになるでしょうか。あの東日本大震災のさまざまな場面での例を挙げるまでもなく、わたしたちは、目にするテレビで記者会見などで「想定外」という言葉を、常套句のように耳にします。

「想定外だった」という理由(言い訳)ばかりを聞かされ続けていると、逆に「どこまで想定していたのか?」と思わず聞きたくなってしまうのはわたしだけではないでしょう。

最近読んだ『世界のエリートが学んできた「自分で考える力」の授業』という本も、日本人は「想定外に弱い」という問題意識から話しが始まっています。

4534050909

では、そのような想定外の出来事に対して、私たちはどのように対処すれば良いのでしょうか?

世界のエリートが学んできた「自分で考える力」の授業』では、想定外に対処するために必要なのは「自分で考えて動けること」だとして、「自分で考える力」の重要性をクリティカル・シンキングスキルと結びつけて話しを進めています。

具体的には、クリティカル・シンキングの詳しい説明をするというよりも自分の意見を作るための「考える手順」を紹介し、それを元に、それぞれの手順の解説をしています。その手順とは次の5つ。

  1. 理解を深める
  2. 視点を広げる
  3. 未来から、より現実的なアクションを考える
  4. 「意見」ができる!
  5. 批評・反論を自分のものにして意見を磨きあげる

英語ができない理由?

今日の本筋からは少し逸れますが、株式会社スタイリッシュ・アイデアが毎月開催する2200 Labの第3回は英語がテーマです。

2200 Lab 第3回「ことばとしての英語〜向き合い方と学び方」

先日、この回でゲストとしてお招きする方と打合せをしてきたのですが、その中で「日本人は英語ができない」というよくある話しは、もう少し整理をして考えなくてはいけないという話しになりました。

方向としてひとつ出てきたのは、言語としての英語の知識やその運用能力の巧拙よりも、英語を使うための頭の使い方のところでつまずいていることの方が多いんじゃないかということ。

そこで話したような内容が、先ほど挙げたこの5つの手順のうち、最初の「理解を深める」の中で出てくる質問をすることの話しや、4点目の中で出てくる「自分の意見に自信を持つ」、そして最後の「批評・反論を自分のものにして意見を磨きあげる」といったとこにつながってきます。

ちなみに、『世界のエリートが学んできた「自分で考える力」の授業』著者の狩野みきさんという方は、英語学習書も何冊も出している方(例えば自分が持っているのは『外資の社内英語 ビジネスに効くパワフル動詞460』)で、そういうバックグラウンドを活かして、この本を書かれているようです。

自分で考えるためのシナリオ・プラニング

本題に戻ると、先ほど挙げた5つの手順の中で面白いと思ったのは、3点目の「未来から、より現実的なアクションを考える」という点です。これは、まさにシナリオ・プランニングの一種ですね。

実際の方法としては、未来を見据えたアクションを考えるために、次の4つを行います。

  1. 「現実のものとなったら何が起きるか」シナリオを作る
  2. 手を打つべきことはないか、考える
  3. その行動は実行可能なのか、考える
  4. その行動は今しておく必要があるのか、考える

このうち最初のシナリオを作る段階では、うまくいった場合とうまくいかなかった場合の両方のシナリオをそれぞれ複数考えて、後の検討手順を進めていきます。

シナリオ・プラニングでやる時ほど精緻にシナリオを作るわけではありませんが、個人が自分のために、それほど時間をかけずにやるというのであれば、まずはこれくらいでも十分価値があるでしょう。

いかに視点を広げられるか?

先ほど紹介したように、狩野さんが紹介している手順の3点目は、未来のシナリオを考えてみるということでした。その前の「視点を広げる」という部分では、「誰かになりきって考える」や「一人弁証法を使う」という考え方も紹介されています。

この本で紹介されていること、つまり「自分で考える」というために大切なのは、自分の凝り固まった視点だけではなく、さまざまな人の視点を盛り込んだり、さらにそこに時間軸という観点を持ち込み「現在」だけではなく「未来」を持ち込むという、さまざまな視点の広げ方でしょう。

以前に知り合いと話している際に「コンサルタントの価値は、相手が持っていない視点を提供してあげることだ」という話しになりました。

それこそが、まさにこの本で言わんとしていることなのでしょうし、クリティカル・シンキングを学ぶことで手に入れることができることなのかもしれません。

「クリティカルに未来を見る」を理解するためのブックガイド
先ほども紹介しましたが、今回のアイデアノートの着想となったのは『世界のエリートが学んできた「自分で考える力」の授業』という新刊です。

・『世界のエリートが学んできた「自分で考える力」の授業
4534050909

クリティカル・シンキングを知るために本書でも薦められているのが、この本。

・『クリティカル進化論 -「OL進化論」で学ぶ思考の技法
476282139X

この『クリティカル進化論』の著者の一人が最近出版したこの本もなかなか面白いです。

・『最強のクリティカルシンキング・マップ
4532317746

photo credit: Kalexanderson via photopin cc

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

公開セミナー開催予定

メールマガジン購読

未来を見据え、未来を創るためのビジネスの見方を学べるコラム「アイデアノート」や最新のセミナー情報などをお届けする「スタイリッシュ・アイデア ニューズレター」にご登録ください。

新刊のお知らせ

組織でイノベーションを起こすために必要な知識が詰まった『成功するイノベーションはなにが違うのか?』発売中

4798140570
ページ上部へ戻る