アイデアノート006「シナリオプランニングと組織学習」(シナリオプランニング004)

07.18


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企業でのシナリオプランニングの使い方

企業においてシナリオプランニングを実践する目的は、戦略を実行していくことです。企業が戦略を実行していくためには、企業のビジョンやミッションを元にした企業戦略があり、それらとの整合性を念頭において、部門や部署の目標を設定し、それらを実行に移していくことになります。

このような企業で作られるさまざまな戦略などの整合性を意識しながら製品開発を行うことの必要性を、「プロダクトロードマップ」の概念を使って整理している記事を、以前にPMstyleのプロダクトマネジメントの連載で紹介しています。

プロダクトロードマップ / PMstyleコラム

シナリオプランニングの用途と8つのルール

日本と比べてシナリオプランニングの活用が進んでいる海外では、最近、シナリオプランニングを組織学習に応用することについての議論を目にすることが増えてきました。

例えば、Chief Leaning Officerの2011年2月号では、シナリオプランニングなどを用いたコンサルティングサービスを提供している戦略家のDaniel W. Rasmus氏が執筆した”Scenario Planning the Future”というタイトルの記事が掲載されています。

この記事で、彼はシナリオプランニングを実践することで組織学習が行われるという主旨の議論を展開しています。その中の囲み記事として、シナリオプランニングを実践する際の8つのルールを載せています。組織学習を意図していなくても、シナリオプランニングを実践する際に参考になる視点が盛り込まれているので、ここで紹介します。

  1. シナリオプランニングに専念させる(他の業務と一緒にしない)
  2. コンサルタントを雇う
  3. 外部のステークホルダーを巻き込む(顧客や業界アナリスト等)
  4. 社内で影響を持つステークホルダーを巻き込む
  5. 解決すべき問いを選ぶ
  6. 早い段階で学習モデルを導入する
  7. シナリオプランニングだけではなくストーリーテリングも導入
  8. 学習したことをそのままにしない

ここでは組織学習が意識されているので、6番目や8番目のルールは、特にそれを意識したものとなっています。

また4番目のルールも組織学習を念頭に置いて、社内で影響を持つステークホルダーを巻き込むことの重要性を紹介しています。ただし、この点は組織学習に限らず、シナリオプランニングを実践し、さらにその結果を社内に浸透させていくことを考えるならば、いかなる場合でも意識しなければならないルールではないでしょうか。

組織学習はシナリオプランニングの目的か?

先日もある人とシナリオプランニングについて議論をしていた際、組織学習がシナリオプランニングの目的になり得るのかという話しになりました。結論から言えば、やはり企業においてシナリオプランニングを行う目的は、戦略を実行する、あるいはイノベーションを実現するというところが目的になり得るはずです。

先ほどのサブタイトルで「用途」という言葉を使いましたが、組織学習というのは、あくまでシナリオプランニングを実践して得られる結果です。したがって、シナリオプランニングを実践する際に、本来の目的に加えて、結果として組織学習につながることを意図することはあり得ますが、組織学習自体がシナリオプランニングの目的にはならないのではないでしょうか。

言葉がどんどんその用法を変えていくように、世の中で利用されているツールも、使われていくに従って、本来意図されていた目的とは異なる目的のために使われることも少なくありません。

大切なことは、そのような使われ方をすることもあるということを意識しながらも、基本に立ち返り、本来の使い方を見直し、自社でどのように利用するのが良いのかを考えることではないでしょうか。

【「シナリオプランニングと組織学習」を理解するためのブックガイド】
今回のアイデアノートで紹介した”Scenario Planning the Future”が載っているのはこちら。

Chief Learning Officer – February 2011

この記事を書いたDaniel W. Rasmus氏が書いた本もあるようです。

・『Listening to the Future: Why It’s Everybody’s Business (Microsoft Executive Leadership Series)』(Kindle版
0470413441

photo credit: Andy Ciordia via photopin cc

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