アイデアノート001「システムをつかむ」(システム思考001)

05.29


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システムとは?

私たちは知らず知らずのうちに「システム」の中に組み込まれて日々の生活や仕事をこなしています。この場合のシステムは、企業などで使われている業務ソフトなどを表しているのではなく、さまざまな要素がつながり、関係し合い、それらが全体として機能しているものを指しています。

つまり、われわれの周りにあるあらゆるものを「システム」としてとらえることができるのです。

システムが持つ「フィードバック」という性質

なぜそんなわかったようなわからないような話しをしているかというと、最近になって私たちの目の前に現れてきているさまざまな課題は、システムをつかむ、あるいは全体を俯瞰するような視点を持たないことには、解決できないようなものが増えてきてしまったと感じているからです。

解決できないだけではなく、むしろ解決をしようと思って試みたことが、システム全体から見れば、余計に状況を悪化させてしまっているようなことがあります。

例えば、海外のニュースなどでよく見聞きする山火事。山火事が起きる原因にはさまざまなものが指摘されていますが、山全体をシステムとして見た場合、非耐火性の性質を持つ種類の木(燃えやすい木)が耐火性の性質を持つ種類の木を駆逐しそうになるほどに増えた際に小規模な山火事が起きると言われています。そのため、人為的にそのような小規模な山火事を抑制してしまうと、木の密度が高くなってしまい、より深刻な、大規模な山火事が起きる確率が高くなってしまうのです。

このように、何かが起きる原因があり、そこから生まれる結果があるという流れは、一度で終わるのではなく、その結果がさらに原因となってシステム全体に作用するという「フィードバック」という性質を持っています。こう書くと複雑そうですが、実は「フィードバック」には正と負の2種類のフィードバックしかありません。

  • 自己強化型フィードバック(正のフィードバック)
  • バランス型フィードバック(負のフィードバック)

「時間」を踏まえてシステムを見る

これまでの問題解決手法のように、今、目の前に見えている問題の構造を要素分解し、そこから問題の原因となっているものを探し当て、そこを重点的に解決していくというような手法にとどまらず、フィードバックが起きる「時間」という要素も踏まえて、システム全体の大きな流れをとらえようとする試みが「システム思考」や「システム・ダイナミクス」として知られている考え方です。

システム思考を重視している『学習する組織――システム思考で未来を創造する』の中で紹介されている「システム思考の法則」の7番目に「原因と結果は、時間的にも空間的にも近くにあるわけではない」という法則が紹介されていますが、今、目の前で起きている要素だけではなく、システム全体を俯瞰して、問題に取り組むことが必要になってきているのです。

厄介な「自分」という存在 − メンタル・モデル

システム思考を実践する場合、ループ図を書いてシステム全体を分析するという方法がよく知られていますが、ここでもうひとつ難しい問題に直面します。それが「メンタル・モデル」という存在です。

「メンタル・モデル」とは、簡単に言えば、その人が持っている一般常識や物の見方のようなものです。自分では十分に客観的な視点を持てていると感じていても、そこには知らず知らずのうちに、メンタル・モデルが影響をし、それを通して出来事や世界を理解しているのです。

システムをつかむ

ここで紹介したのは世の中で紹介されているシステム思考などの考え方を簡単にまとめたものです。

今後、私たちが取り組んでいかなければいけない課題の多くは、構造を解きほぐせば簡単に解決策が見つかるような類のものではなく、まさにシステム全体を俯瞰し、そこに潜んでいる根本的な関係をつかみ、取り組んでいかなければいけないようなものばかりです。

ぜひこれをきっかけに、システム思考の世界に目を向けていってはいかがでしょうか。その際、個人としてはもちろん、この考え方を組織全体に導入していけば、より効果的です。

「システムをつかむ」ためのブックガイド
システム思考の入門書としては、読みやすさと網羅性を兼ね備えているという点で、このどちらかを読むのがお薦めです。

・『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?―小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方
4492555757

・『システム・シンキング入門
4532110416

応用範囲を広げたシステムの世界を知りたい人は、やはりここからでしょうか。

・『学習する組織――システム思考で未来を創造する
4862761011

photo credit: jonasginter via photopin cc

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